「ブルマリン(Blumarine)」は、アンナ・モリナーリ(Anna Molinari)氏の持ち味である、気品のあるフェミニンがランウェイに立ちこめるようなショーとなりました。キーアイテムは、ももでふんわりとふくらみ、膝上ですぼまったバルーンスカート。ファーをふんだんに使ったクラシックな構成となっています。
ミニ丈のバルーンスカートが繰り返し登場しました。今回のコレクションのテーマは、18世紀に王妃のマリー・アントワネットをヒロインとしてベルサイユ宮殿に花開いたフランス宮殿ファッション。バルーンスカートはその象徴的なアイテムとして、ショーの主役を張っていました。
もう一方のメーンアクターがファー。これまでの「ブルマリン(Blumarine)/アンナ・モリナーリ(Anna Molinari)」よりも一段とファー使いは大胆に。特に目立ったのがヒョウ柄。ヒョウ柄ファーのバルーンミニ・ワンピースの上に、別のもっと厚手のファージャケットを重ねる「ファー・オン・ファー」の組み合わせも。ヒョウ柄のファーのアンサンブルは迫力たっぷり。トップスの袖先や裾だけにファーをあしらう演出はあちこちに見られました。
色で目に付いたのは、濃淡さまざまなキャメルカラー。半袖よりも短いキャメルカラー・コートには、ミニ丈のバルーンスカートを合わせました。クリームやベージュ、シャンパンゴールドなど、同系色で整えた、落ち着いた色合いがクラッシー。
一番上だけを留めて、前を開いたショートジャケットも押していました。前身頃から袖までつながった、ケープ風のショートジャケットでは、フラワーモチーフが前身頃からつながっていて流麗な趣。フロントジッパーをアシンメトリーの位置に斜めに切ったレザージャケットもショート丈。ノースリーブのスタンドカラーのショートジャケットや、スタンドカラーで前身頃の全面に刺繍を施したショートジャケットなど、巧みなアレンジを見せていました。
バラの花に代表されるエレガントな花柄や、教会のステンドグラスを思わせるようなマルチカラー柄は18世紀フランスのクラシック感を醸し出しています。フラワーモチーフの総柄も数多く見られました。細いリボンを10カ所以上も垂らした、デコラティブ(装飾的)なドレスは上流階級の貴婦人のイメージでしょうか。
後半で目を奪われたのはシースルー。上半身はミリタリーテイストのカッチリした黒のジャケットで、腰から下はショーツの形まではっきり透けて見えるシースルーの超薄手スカートというサプライズな組み合わせは、女性の二面性を形にしたかのようです。
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「ブルマリン/アンナ・モリナーリ」
(ブランド解説)
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