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  「ショップレポート」春―2nd 「ラブレス(LOVELESS)」

 地下2階「ダークサイド」へ階段を下りていくとき、こんなにドキドキするのは私だけでしょうか。東京・南青山のセレクトショップ「ラブレス(LOVELESS)」を訪れたのは3月上旬。ウインドーディスプレーに飾られていた「カプッチ(Capucci)」の細かいプリーツドレープのポンチョ風ワンピースはインパクト大でした。


 「カプッチ」は、イタリアのオートクチュールデザイナーであるロベルト・カプッチ氏のプレタポルテライン。2003年秋冬のスタート時から、ベルンハルト・ウイルヘルム(Bernhard Willhelm)氏が手がけています。ファッション校の名門、アントワープ王立美術アカデミー卒のベルギー人デザイナーです。自分の名前を冠したシグネチャーブランドも高く評価されています。


 フランスの知る人ぞ知る老舗バッグブランド「ゴヤール(Goyard)」を扱っている1階では、偶然にもバッグの受注会を開いていました。「サン・ルイPM」というバッグに描くイニシャルとストライプ柄がオーダーできます。


 この日の受注会には、私がよその店でオーダーしたときに、丁寧に注文を聞いてくれた、フランス本店の職人さんの姿がありました。「私のことは覚えてないだろうなぁ」とか、「あのバッグを予約してもう半年経つけど、待ち遠しいなぁ」とか、よけいなことを考えながら、2階へ。


 最初に目に飛び込んできたのは、スタッフが着ていた「イーリー・キシモト・エレッセ(Eley Kishimoto ellesse)」。元気なテニスウエアをタウン着に変えた今回のコレクション作品です。


 ラックに架かっていた商品はどれも色使いがポップで、プリントもキュート。思わず手に取りたくなるような商品ばかりでした。運動靴メーカー「月星化成」とコラボレートした運動靴もはじけるように元気な「イーリー・キシモト」流プリントでした。1足しかなかったので、ほかは既に売れてしまっていたのでしょうか。


 以前は地下2階に置いていた「green」が2階に移動し、しかも新作が充実していました。手の込んだ作りで知られるニューヨーク発のデニムブランド「ノティファイ(Notify)」も入荷していました。バッグではニューヨーク生まれの「ボトキエ(Botkier)」が登場。ファッションジャーナリストから人気に火がついただけにスタイリッシュで、大きめのアウトポケットもついていて使いやすそうです


 地下2階には今回も男性客の方が多かったようです。新作がディスプレーしてありました。パリ・コレクションに参加している「ニコラ・アンドレア・タラリス(NICOLAS ANDREAS TARALIS)」のパンツとトップスの組み合わせです。かなりシャープで細身のラインですが、素材は柔らかくデリケートで手触りも繊細です。


 前回の訪問時に続き、「クロエ(Chloe)」は新作のブラウスが入荷し、充実していました。アンティークベージュ・カラーのカットワーク刺繍のパフスリーブのブラウスは今シーズンのエアリーな気分にピッタリです。


 「クロエ」と共に「ラブレス」がこの春、打ち出している「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」はキッチュなイラストのタンクトップ、Tシャツなどを集めていました。オートクチュールのテクニックを持ち、手仕事の造形美が魅力の「アン・ヴァレリー・アッシュ(Anne Valerie Hash)」のトップスも並んでいました。これらのブランドは有名セレクトショップも打ち出しているいわゆるキラーアイテムになるのでしょうが、さすが「ラブレス」、やはり他店にはない尖った商品を扱っています。


 目が釘付けになってしまった作品が、先頃、「ジバンシィ(Givenchy)」の新デザイナーに就任が決まったばかりの「リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)」の作品です。


 レザーのジャケットに、焼き焦がしたスワロフスキー(Swarovski)・クリスタルが石のようにゴロゴロとくっついているんです。しかも、ただくっついているのではなく、レザーの中に食い込んでしまったような感じでランダムにいろいろな所に。もう傑作です。「これが噂のデザイナーかぁ」と、興奮してしまいました。これほどの傑作だけに、お値段の方も38万円と立派な額でした。


 そのほかは「パコ・ラバンヌ(Paco Rabanne)」が目に入りました。「パコ・ラバンヌ」はトリムやビーズ付きニットのノースリーブやジャケットが揃っていました。アクセサリーはジュエリーブランド「エリクソン・ビーモン(Erickson Beamon)」が入荷。メンズでは「マスターマインド(mastermind)」を一押し。「ラフ・シモンズ(Raf Simons)」も入荷しています。


 毎回行くたびに驚かされ、感動させられるショップです。傑作はやはりお値段が立派すぎてなかなか手が出せないけれど、今後もよそにはない作品を揃えてくれることを楽しみにしています。 2005年春2nd


[連絡先]
住所 港区南青山3−17−11
電話 03−3401−2301

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