「チェンジズ・ユナイテッドアローズ（Changes UNITED ARROWS）」（東京・表参道）には「ジミー・チュウ」が靴の花を咲かせています。２月上旬に訪れたのですが、この春のマストアイテム「ティアードスカート」は既にラックに架かっていました。

　2001年にオープンしたときから、よく行っていました。「ユナイテッドアローズ」グループの他店よりも一段上のラグジュアリーなブランドが集められているようです。フェミニンな服とエッジのきいた服の両タイプが揃っている点が気に入っています。

　店内は白のイメージ。いわゆる「裏原」のキャットストリートの中では際立った高級感と存在感があります。１階がレディース、２階はメンズのフロアです。

　この春は「クロエ（Chloe）」「ステラ・マッカートニー（Stella McCartney）」「マーク・ジェイコブス（Marc Jacobs）」「ドリス・ヴァン・ノッテン（Dries Van Noten）」などが目立ちました。「エミリオ・プッチ（Emilio Pucci）」は以前から充実していましたが、今シーズンも１コーナーを使ってカバーしています。

　インポート物に混じって、オリジナルブランド「チェンジズ・デイ（Changes day）」のスプリングコートがディスプレーしてありました。オリジナルというよりインポート物のように見えました。今回、春物を見て、全体的に柔らかく優しい感じの、どこかリラックスしたイメージの服が多かったように感じました。素材でもシフォンのようなふんわりした素材が目に付きました。

　まだ寒かったので購買意欲が出なかったのですが、暖かくなったら着てみたいと思える商品は、ボリュームのあるスカート。この春は、フリルやレースを何層にも重ねた「ティアード（tiered）スカート」がマストアイテムになっていて、「チェンジズ・ユナイテッドアローズ」も押しています。

　服だけでなく、靴が充実しています。靴好きの私にとってはうれしいところです。米国ドラマ「セックス＆ザ・シティ」の主演女優、サラ・ジェシカ・パーカーをはじめ、セレブリティー（有名人）にファンが多い「ジミー・チュウ（Jimmy Choo）」の靴がたくさん並んでいました。

　ビーズやステッチを使った、華やかなアジアンカラーの靴で知られています。デザイナーのジミー・チュウ氏はマレーシア生まれで英国在住の靴デザイナー。ダイアナ英皇太子妃も顧客でした。「ジミー・チュウ」は靴で有名ですが、バッグもかわいいデザインがかなりあります。

　ラウンド・トゥ（丸い爪先）のバレエシューズがヒットした、フランスの靴ブランド「クリスチャン・ルブタン（Christian Louboutin）」の靴も素敵でした。女らしいのに華奢（きゃしゃ）になり過ぎない感じが気に入りました。

　アクセサリーはジュエリーブランド「エリクソン・ビーモン（Erickson Beamon）」の商品が入っていました。映画「タイタニック」でジュエリーデザインを担当したことで有名です。

　私はこのブランドが好きで、ニューヨークで何度か買い求めました。お値段は張りますが、その価値は十分あります。繊細なビーズを使いつつ、それでいて大胆なデザイン。これほど存在感のあるアクセサリーは日本のブランドにはなかなかないでしょう。

　「チェンジズ・ユナイテッドアローズ」の2005年春夏のテーマは「Heavenly&Deeply―至福の瞬間そして深く感じること―」。実際、この日いらっしゃっていたお客様はリラックスした雰囲気で店員さんとじっくり話し込んでいました。店がお得意様をがっちりつかんでいる印象を受けます。顧客には大人の女性が多いようです。

　2004年に創業15年を迎えたユナイテッドアローズ（ＵＡ）は2003年に売上高でライバルのビームスを抜いて、日本最大のセレクトショップになりました。実はビームスはＵＡの「本家」に当たります。ＵＡ創業者の重松理会長はビームスの旗揚げから参加し、常務まで務めた人物。89年に独立してＵＡを設立しました。ＵＡの設立資本金の65％はアパレルメーカー大手のワールドが出しています。

　ＵＡは複数業態を展開していて、主力の「ユナイテッドアローズ」のほか、「ディストリクト・ユナイテッドアローズ」「ユナイテッドアローズ・グリーンレーベル・リラクシング」「ドゥロワー」「時知らず」などを展開。アクセサリー店「クロムハーツ」もUAグループです。

　「チェンジズ・ユナイテッドアローズ」のクリエイティブディレクター兼バイヤーの小野瀬慶子氏はカリスマバイヤーの一人。2005年春夏では「デレク・ラム（DEREK LAM）」のトレンチコートや「ヴェラ・ウォン（VERA WANG）」のスカート、「デヴィ・クロール（DEVI KROELL）」のメタリック調バッグなども買い付けているそうで、新アイテムが出揃う春本番が今から待ち遠しくなります。 ２００５年春1st

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