東京コレクションに参加していた「フラボア（FRAPBOIS）」ブランドのデザイナーだった宇津木（うつぎ）えり氏がアパレルメーカー、エイ・ネットから新ブランドをスタートさせます。ブランド名は未定です。２００６年秋冬物からの立ち上げとなる見込みです。

　３月末で「フラボア」を離れていました。エイ・ネットは宇津木氏がかつてデザインを学んだ場です。

　エイ・ネットは、「イッセイ・ミヤケ」ブランドを展開するアパレルメーカー、イッセイミヤケのグループ企業です。「ズッカ」「ツモリ・チサト」などのブランドを手がけています。

　「フラボア」は東コレの花形的存在となっていたブランドです。宇津木氏がデザインし、アパレルメーカーのビギが展開していました。

　具体的な離脱理由は明らかにされていませんが、ビギ側とブランド運営の方向性にずれが生じたものとみられています。東コレの看板デザイナーがこうした形で突然、ブランドを離れるのは、異例のことと言えます。

　宇津木氏が２００１年に立ち上げた「フラボア」はゆったりとしたフォルムや柔らかい色使いで人気が高いブランドです。「フラボア」は造語。フランス語の「frapper（打つ）」と「bois（木）」を組み合わせ、宇津木氏の名前の読み「うつぎ」をもじった格好になっています。

　宇津木氏は女子美術短期大学の衣服デザイン教室を卒業後、エスモードジャポン、ステュディオベルソー（フランス）でファッションデザインを学びました。その後、エイ・ネットで働いた経験があります。一時はトラック運転手や冷凍食品箱詰めのアルバイトをするなど、ファッション界を離れたことも。再起を期して２０００年にビギに入社。２００１年に「フラボア」を立ち上げました。