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  (8/21 23:51) [news] ファッションと衆院選

 テレビや新聞は衆院選一色の感があります。ファッションと政治は一見、縁遠いように見えますが、そうでもありません。特に今回の総選挙は自民党も民主党もマニフェスト(選挙公約)の中で、間接的ながら、ファッション振興・支援に触れています。日本の選挙で与党と野党第1党が公約にファッション振興・支援を盛り込んだのは初めてです。

 自民党はマニフェストの49番目の項目「イノベーションを通じた競争力ある産業群の創出」の中で、「日本ブランドの育成・発信の施策を推進する」と明記しました。国内最大規模のファッションイベント「東京発日本ファッション・ウィーク」を10月末から、東京・神宮外苑聖徳絵画館前で開催することが既に決まっています。

 日本で初めてのファッション専門の担当部署「ファッション政策室」が8月1日付で経済産業省に新設されました。日本ファッションを世界市場に売り込もうという大型プロジェクトを引っ張るのが、このファッション政策室の役割です。経産省は6月、日本ファッションを発展させる目的で、総合的な戦略を練るための「ファッション戦略会議」を立ち上げています。

 一方、民主党はマニフェストで、「文化・芸術における知的財産政策をすすめます」と掲げた上で、具体策として「公正使用(フェア・ユース)規定を創設し、創作者(アーティスト・クリエイター)と、将来の創作者を含む著作物利用者(消費者、エンドユーザー)のための知的財産政策を実施します」と、ファッションデザイナーを含む創り手側の権利保護を進める考えを示しました。「競争力強化・技術力強化に向けて、知的財産権立国をめざします」という項目では、「模倣品対策や特許権侵害対策の強化をすすめます」と、コピー商品対策強化を打ち出しました。

 ただ、両党ともまだ取り組みが浅い感は否めません。英国は1990年代以降、ファッションやライフスタイル、現代アートを積極的に海外に売り込む「クール・ブリタニア」キャンペーンを展開してきました。比較論で言えば、自民党の方がまだ「日本ブランドの育成・発信」という分かりやすい言葉を使っています。「東京発日本ファッション・ウィーク」のスタートや「ファッション政策室」の新設といった具体策も見えているだけに、ファッション政策では自民党が先行している気がします。

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