中国では著作権の扱いが日本と異なり、日本企業の頭を悩ませています。特撮番組「ウルトラマン」シリーズのキャラクターに関する著作権はもちろん、円谷プロダクションが保有していますが、中国では同社の権利がきちんと認められていません。北京市で８月６日に開かれた裁判で、同社が主張していた著作権侵害の訴えは却下されてしまいました。

　驚くべきことですが、中国では円谷プロではない会社が「ウルトラマン」の商標を勝手に登録しています。著作権を持つ円谷プロは当然、この商標登録を問題視して法廷で争っていますが、まだ決着していません。タイの企業、チャイヨープロダクションが「ウルトラマン」キャラクターの海外利用権を持っていると主張していて、今回、円谷プロが訴えた商品はこのタイ企業から中国企業から許可をもらって商品を製作したそうです。

　円谷プロは北京市内の百貨店「長安商城」が販売している「ウルトラマン」キャラクターの商品が円谷プロの許可を得ないで販売され、しかも誤った著作権表示がされているとして法廷に持ち込みました。この商品には「Tsuburaya Chaiyo」と、まるでタイ企業に著作権があるかのような表示が付いています。円谷プロはこの表記を著作権侵害だと主張しました。

　本家であるはずの円谷プロが看板キャラクターの著作権を認めてもらえないという皮肉な、笑えない状況です。コピー商品であっても、先に登録してしまえば権利が認められるといったずさんな著作権管理は、日本企業が中国に進出する場合の大きなリスクとなっています。