ファッションショーの招待状だけを集めた展覧会が富山県立近代美術館（富山市）で開かれています。「イッセイ・ミヤケ」ブランドが１９７７〜９９年に発送した、現代アーティスト・横尾忠則（よこお・ただのり）氏がデザインした招待状を展示しています。９月１１日まで。

　この「横尾忠則が招待するイッセイミヤケ　パリコレクション１９７７−１９９９」展では、パリコレクション用に発送された４３シーズン分の招待状を年代順に見て回ることができます。横尾氏は７０年代後半から今に至るまでずっと「イッセイ・ミヤケ」ブランドの招待状を手がけてきました。９０年まではデザイナー・三宅一生氏の顔をモチーフにしています。

　招待状という性格上、極めて限られた少数の人しか見る機会のなかった貴重な資料であり、アート作品です。三宅氏は横尾氏に個別にデザイン内容を依頼・指示することはなく、横尾氏の創造性にゆだねてきました。約３５センチ四方というキャンバスに横尾ワールドが広がっています。

　横尾氏は日本を代表するアーティストです。６０年代にグラフィックデザイナーやイラストレーターとして高い評価を得ました。８０年代以降は「画家宣言」をして、絵画を主なフィールドとしています。大御所には違いありませんが、フィンランドで開催されている第１５回ラハティ国際ポスタービエンナーレで、「サクラ大戦　新西遊記」が７月にグランプリを受賞したバリバリの現役です。

　３６年兵庫県西脇市生まれ。７２年にニューヨーク近代美術館で個展を開催しました。２０００年にはニューヨーク・アートディレクターズ・クラブの殿堂入りを果たしています。多摩美術大学客員教授。