「ファッションの伊勢丹」があらためて強さを見せつけています。何しろ業績が好調です。２００５年９月中間期の連結経常利益は前年同期に比べて２２％増の９９億円になる見込みだと発表しました。当初の予想を５億円上回るペースです。

　売上高予想は１８％増の３５１０億円と、当初予想より３０億円もアップしています。４〜６月期の連結売上高は前年同期比１８％増の１７６２億円、経常利益が６６％増の８７億円と、百貨店業界では圧勝の数字です。

　近鉄百貨店がＪＲ京都駅前にある近鉄百貨店京都店（通称・プラッツ近鉄）を２００７年２月で閉鎖すると発表しました。閉店の引き金になったのは、ＪＲ京都駅ビル内への伊勢丹出店でした。実質的に伊勢丹に客を奪われ、近鉄百貨店は退場する格好です。

　反対に、北海道では老舗百貨店の丸井今井（札幌市）の経営再建を伊勢丹が支援します。西武百貨店とそごうを傘下に持つミレニアムリテイリングは伊勢丹出身者を相次いで商品本部長、販売計画本部長などの要職に迎え入れています。

　小田急百貨店も伊勢丹出身者を次々と獲得しています。伊勢丹本店の顧客サービス担当長を取締役新宿店長に就任させました。営業本部副本部長、副社長（営業本部長兼商品統括部長）も伊勢丹出身者です。川島蓉子氏の著書『伊勢丹な人々』（日本経済新聞社刊）も売れていますが、実際の「伊勢丹な人々」も百貨店業界で引っ張りだこのようです。