人気ブランド「オゾック」「インディヴィ」「アンタイトル」などで知られるアパレルメーカー大手のワールドが株式上場（株式を誰でも買えるようにしておくこと）を取りやめます。株を買い集められて、会社を乗っ取られることを恐れたのが一因です。

　ライブドアが仕掛けた一連のニッポン放送、フジテレビジョンへの株買い集めをきっかけに、日本の企業経営者の間では「うちも買収されるかも」という恐怖感が広がっています。今回のワールドの上場取りやめもそうした動きの表れと言えます。

　ワールドは７月２５日、現在の経営陣がワールドを買収し、株式を非公開にする方針を発表しました。同社は東京、大阪両証券取引所の第１部に上場している優良企業。これだけの規模を持つ企業が上場を取りやめるのは、極めて異例です。

　株式上場のメリットとしては、投資家から広く資金を集められることや、自社ブランド・会社の知名度を高めること、企業の信用度をアップさせることなどがあります。しかし、同社は当面、大きな資金調達を必要としていない上、既に十分有名でもあることなどから、上場の必要性は低いと判断したようです。

　ワールドは１９５９年に設立。本社は神戸市にあります。９３年に株式上場しました。２００５年３月期の連結売上高は２４５１億円、経常利益は１６４億円。同社のブランドにはほかに「ボイコット」「ヴォイス・メール」などがあります。セレクトショップ「アクアガール（aquagirl）」「ドレステリア」、大型雑貨店「オペーク（OPAQUE）」も展開しています。

［関連サイト］
・ワールドの公式サイト
http://www.world.co.jp/