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(7/22 13:28) [news] 中国の人民元2%切り上げ・アパレルに値上げ圧力
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中国の通貨、人民元の為替レートが7月21日、2%切り上げられました。「切り上げ」とは、通貨の価値が強くなることを意味します。つまり、中国から輸出する商品は今までよりも割高になり、逆に中国への輸出は割安になるわけです。
人民元はこれまで米ドルとの間で為替レートが実質的に固定されていました。日本の円やEUのユーロは変動相場制ですから、その時の状況次第でレートが変動します。円高とか円安とか言うのがそれです。でも、人民元は安くも高くもならず、一定のレートだったのです。今回の切り上げに伴い、固定相場制を改め、ゆるやかな変動ができるようになりました。
中国が切り上げに踏み切ったのは、米国の圧力に抵抗しきれなくなったからです。本当の実力よりも割安なレートのせいで、中国の製品は米国に低価格で輸出されてきました。米国では中国製品がどっと流入して、国内業者は「こんな値段では競争できない」と、不満を示していました。
この切り上げは率が2%にとどまったおかげで、急激に中国製品が値上がりするようなパニックは避けられそうです。でも、影響がゼロではありません。
特に中国での低コスト生産を武器に、ぎりぎりの低価格を設定してきたようなアパレルメーカーは、「人民元が2%上がったから」という理由で980円のTシャツを1000円に値上げするわけにはいかないでしょう。そうなると、2%の値上がり分を自分たちの利益を削って吸収しなければならない羽目になります。
しばらく前の消費税内税化の時も同じような議論がありました。2%の切り上げを口実に中国側の業者が5%の値上げを要求してくる可能性もあり、結構頭の痛い問題です。
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