アパレル大手のオンワード樫山は7月21日、新ブランド「ネイヴ(NAVE)」を2006年春、日米で同時に発売すると発表しました。欧米のデザイナー約10人を起用した点がポイントです。一般的にデザイナーズブランドは1人のデザイナーが手がけるケースが大半で、チームの場合でも2、3人です。一度に10人ものデザイナーを投入するのは、極めて珍しいプロジェクトと言えるでしょう。
ニューヨークのデザインチームのトップとして起用されたのは、「マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)」ブランドでデザインディレクターを務め、「TSE(セイ)」ブランドを世界的に広めた米国在住の韓国系米国人、リチャード・チャイ(Richard Chai)氏です。そのほか、ニューヨークやミラノなどで活動するデザイナーがコラボレートします。
主に20代のキャリア女性向けにほぼフルラインで商品を展開します。2006年春にはニューヨークのソーホー(SOHO)地区に路面店を出します。2006年秋からはメンズもスタートします。まとめ役のチャイ氏以外は半年程度で交代していくスタイルを採るそうです。
ジャケットやパンツなどのアイテムごとに別々のデザイナーを充てます。オンワードとチャイ氏が基本的な方向性と色を決め、個別商品のデザインの細部は各契約デザイナーに任されます。
チャイ氏は1995年に名門ファッション校のパーソンズ・デザインスクールを卒業。「ジェフリー・ビーン(Geoffrey Been)」のインターン、「アルマーニ・エクスチェンジ(Armani Exchange)」のアシスタントデザイナー、「DKNY」のデザイナーを務めました。98年から2001年までは「マーク・ジェイコブス」のデザインディレクター。2001年秋から「TSE」ブランドの総合ディレクターを務めました。
「ネイヴ」とは、英語で「車輪の中心部」という意味です。ブランドは車輪を回す核、原動力であり、デザイナーが動力を車輪に伝えるというブランド運営コンセプトから名前を付けました。
セレクトショップでは通常、単品アイテムを買い付けて売り場を自主編集します。「ネイヴ」はこの考え方を逆転させ、複数のデザイナーが「ネイヴ」のためにデザインするオリジナルアイテムで売り場を構成します。
[関連サイト]
・オンワード樫山の「ネイヴ(NAVE)」発表ページはこちら
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