２００２年にＮＨＫで放送され、大きな反響を呼んだ、「コム・デ・ギャルソン」ブランドのデザイナー、川久保玲氏のドキュメンタリーを書籍化した本『アンリミテッド：コム　デ　ギャルソン』（平凡社刊）が出版されました。当時の番組制作に関わったフリージャーナリストの清水早苗氏とＮＨＫ番組制作班がまとめました。

　ドキュメンタリーの未放映映像を含めて本に仕上げました。川久保氏本人をはじめ、デザイナーのカール・ラガーフェルド、ジャンポール・ゴルチエ、アレキサンダー・マックイーン、ヴィクター＆ロルフ氏ら内外の約７０人が発言しています。デザイナーのほか、ジャーナリストやバイヤーも登場して、川久保氏の服作りの魅力を語っています。

　約９カ月もかけた綿密な取材が文章と写真、図版でよみがえります。ハイビジョンの高精細画像を静止画として切り出して使っています。本の見開きの横と縦の比率を１９対９と、ハイビジョンと同じ比率にしました。５７７５円とかなり値が張りますが、資料的価値は十分です。

　著者の清水氏は立教大学文学部フランス文学科卒。雑誌「an・an」でスタイリストを務めた後、雑誌「クロワッサン」の創刊に参加。スタイリスト、ファッションエディターを長く続けています。金沢美術工芸大学の非常勤講師も務めています。