ブライダルファッションのデザイナー、桂由美氏が「ユミ・カツラ」ショップの欧州第１号店をパリにオープンしました。桂氏が率いるユミカツラインターナショナルが店舗を開きました。

　注文服（オートクチュール）と既製服（プレタポルテ）の中間的クラスの「プレタクチュール」と呼ばれるウエディングドレスを主に販売するそうです。

　パリのファッションストリート、カンボン通り沿いに路面店を開きました。同社は日本国内のほか、中国の大連と上海に店を構えていて、２００６年には北京にも進出するようです。

　自社ブランドのほか、イタリアのドレスメーカー、エレナ・デ・ラ・ロッカ社とのライセンス商品も取り扱います。「ユミ・カツラ」ショップの欧州市場への進出の足がかりとなります。今回のパリ店自体、フランチャイズチェーン（ＦＣ）方式での出店です。

　桂氏は２００４年にデザイナー活動４０周年を迎えました。１９６４年に日本初のブライダル専門店を開き、日本のブライダル市場をリードしてきました。９９年には東洋人として初めて、イタリアファッション協会の正会員になりました。２００３年にはパリ・オートクチュールコレクションに初参加しました。

　桂氏自身が結婚したのは７２年。桂氏４２歳、相手の結城義人氏は５３歳という、一般的な感覚ではかなり「遅い」結婚でした。「結婚適齢期」などという発想にとらわれない辺りに、ブライダル市場の開拓者らしさが感じられます。

　結城氏は大蔵省（現在の財務省）造幣局長を務めた後、政府系金融機関に移り、さらに６０歳で司法試験に合格し、弁護士になった独創的なキャリアを持つ人物です。しかし、結城氏が亡くなって、２人の結婚生活は１８年で幕を閉じました。

　本名・結城由美。３０年東京都生まれ。５３年に共立女子大学を卒業。５５年、母が創設したブライダル、ウエディングの専門学校、東京文化服飾学校（現在の東京文化デザイン専門学校）の副校長に就任しました。パリのエコール・ド・オートクチュールで学んだ後、６４年に東京・赤坂に日本初のブライダル専門店「桂由美ブライダルサロン」を開きました。８２年に東京・乃木坂に「桂由美ブライダルハウス」を設立し、社長となりました。

［関連サイト］
・桂由美氏の公式サイト
http://www.yumi-katsura.co.jp/
・東京文化デザイン専門学校の公式サイト
http://www.tokyo-bunka.ac.jp/design/