「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの社長に、実質的な創業者である柳井正会長復帰すると報じられました。柳井氏は２００２年１１月にいったん社長職を退き、会長に就任していました。「バナナリパブリック」や「アバークロンビー・アンド・フィッチ（通称「アバクロ」）」が日本上陸に動いているのを背景に、これまでよりもハイファッション志向のアイテムを投入するという見方が広がっています。

　柳井氏がわずか３年で社長に復帰する背景には、業績が伸び悩んでいることが大きいようです。同社は２００１年にフリース（起毛素材）を使ったウエアが大ヒットしましたが、その後は大ヒット商品を生み出せずにいます。

　柳井氏は「ベーシック、低価格」の従来路線を見直し、ファッション性の高い商品を新たに投入する方針だとみられています。靴や小物などの関連分野にも手を広げる可能性があります。

　同社は２００５年、フランスのレディースウエア専門店、コントワー・デ・コトニエを買収し、ハイファッション路線へかじを切り始めています。アテネ夏季五輪の日本代表公式ウエアでは高田賢三氏を起用しました。