フランスの高級ブランド「シャネル（CHANEL）」がメンズの取り込みに踏み切りました。日本法人のシャネルは２００５─２００６年秋冬シーズンから、紳士服を発売します。紳士服を一般向けに売り出すのは、国内では初です。

　レディース同様、カール・ラガーフェルド氏がデザインを担当しました。ツイードジャケットに代表される「シャネル」伝統のアイテムを採り入れています。ラガーフェルド氏のトレードマークとなっている異常に襟が高いホワイトシャツも取り扱います。

　「シャネル」クラスの最高級ブランドでは「クリスチャン・ディオール」がデザイナーのエディ・スリマン（Hedi Slimane）氏を２０００年、メンズに迎え、新ブランド「ディオール・オム（Dior homme）」をヒットさせました。ラガーフェルド氏は「ディオール・オム」の細身のスーツを着たいがために、１００キロを超えていた体重を４０キロも減らす大胆なダイエットを敢行しました。そのダイエット法は「４２kg減！　華麗なるダイエット」（集英社ｂｅ文庫）という本になっています。

　「シャネル」は初の男性用腕時計「Ｊ１２　スーパー・レッジェーラ（Superleggera）」も発表しました。「スーパー・レッジェーラ」とは、「超軽量」という意味です。往年の名車にちなむ名前でけあって、自動車風のデザインです。「超軽量」という名前通り、特殊アルミニウムを使って軽量化を実現しています。価格は７７万７０００円。

　伊勢丹メンズ館の大成功を受け、レディース主体だったブランドがメンズ市場に進出する動きが広がっています。ファッションやビューティーに関心が強いメトロセクシャルな男性の増加や、「レオン」系モテオヤジの台頭を背景に、今後はさらにメンズ市場の開拓が進みそうです。