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  (7/6 12:45) [news] よみがえるか「ヴェルサーチ」、日本に旗艦店オープンへ

 イタリアのブランド「ヴェルサーチ(Versace)」が経営立て直しの正念場を迎えています。その一環として日本に旗艦店をオープンさせる方針のようです。しかし、創業デザイナーをスキャンダラスな形で失い、長年のファミリー経営で屋台骨がぐらついてきた同ブランドが再生できるかどうかの見通しは甘くなさそうです。

 ヴェルサーチ本社の2004年12月期の決算は赤字が拡大しました。最終損失は9500万ユーロ(約126億3500万円)と、売上高の3分の1ものレベルに達しています。

 同社は2007年に最終損益をトントンにする計画ですが、先行きは不透明です。1997年にカリスマ的存在だった創業デザイナーが米国フロリダ州のマイアミで射殺されるというショッキングな事件でブランドイメージが大きく揺らぎました。加害者である連続殺人犯と被害者の関係が同性愛を絡めて報じられ、スキャンダラスな視線が同ブランドに向けられたからです。

 ジャンイ氏の才能によるところが大きかっただけに、デザイン面でも影響が懸念されました。セカンドラインの「ヴェルサス(VERSUS)」のデザイナーだった妹のドナテッラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)氏が引き継ぎましたが、メンズラインではジャンニ氏でなくなったことで離れていく顧客もいたようです。ドナテッラ氏は2004年、薬物中毒のリハビリを受けたことが発覚しました。

 イメージを変える狙いからか、 女優のデミ・ムーア(Demi Moore)を「ヴェルサーチ」ブランドの新しい「顔」に起用しました。2005年春夏シーズンは歌手のマドンナ(Madonna)がキャンペーンモデルを務めましたが、2005―2006年秋冬はムーアが引き継ぎます。

 「ヴェルサーチ」は2004―2005年秋冬のパリ・オートクチュールコレクションの参加を見合わせるなど、厳しい経営状況にあります。2004年に最高経営責任者(CEO)を外部から迎え、再建に乗り出しました。「フェンディ」のCEOを務めたジャンカルロ・デリジオ氏が改革を取り仕切っています。ただ、ジャンニ氏のめいで遺産相続人のアレグラさんが2004年、当時18歳ノ若さで筆頭株主となるなど、依然として社内に不安定な要素が残っています。根強いファンがいる日本での旗艦店オープンは再建に向けた試金石となりそうです。

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