ヒルトンホテルグループの最高級ホテル、コンラッド東京が7月1日、東京汐留ビルディング(東京・汐留)にオープンしました。同グループのトップブランド「コンラッド(Conrad)」としては日本初進出となります。料金は1泊1部屋当たり5万2000円からと、都心でもトップクラスの料金設定になっています。客室平均単価が4万円を超えるような最高級ホテルが開業するのは、2003年4月のグランドハイアット(同・六本木)以来です。
JR新橋駅に近い新都心、汐留シオサイトに立地しています。浜離宮に面した、37階建ての同ビルの最上層部30〜37階の8フロアに入居しています。高層ビルの最上部に入るのは、パークハイアット東京(同・新宿)と同じスタイルです。このビルにはソフトバンクが本社を構えています。
「スモールラグジュアリー・ホテル」らしく、客室数は290と、控えめです。このうち2割を超える68室がスイートルームになっています。標準タイプの客室でも48平方メートルと、ゆったりした間取りです。
客室は都心を望む「シティ」と、眼下に浜離宮庭園を楽しめる「ガーデン」の2タイプがあります。インテリアを両タイプでそれぞれ変えています。37インチのプラズマテレビやDVDプレーヤーを備えています。もちろん、高速インターネットアクセスも提供されています。無線LANも使えます。ホテル内であればどこでも使えるワイヤレスホンも標準装備しました。
床から天井までが一面窓というデザインが目を引きます。標準タイプでも窓際に長さ4メートルのソファを置き、直径1メートルの円いウッドテーブルを配しています。和紙や墨絵など、随所に「和」を意識したデザインを施したのが特徴です。
主な顧客として外国人ビジネスマンを想定しています。女性への心配りも抜かりはなく、スパやフィットネスクラブを館内に設けました。1400平方メートルという広さは都心のホテルでは最大級です。
スパにはトリートメントルームが10室あり、ナパヴァレーのスパから持ち込んだグレープシードオイルを使ったアロマセラピーや、ドイツの医学的なバイオコスメティクスを採り入れたエステサービスが受けられます。フィットネスエリアでは墨絵をモチーフとした漆黒の25メートルプールが売り物です。
女性が気になるアメニティは資生堂アメニティグッズが専用に開発しました。客室のイメージに合うように、複数の香りを用意しています。すべてのバスルームはダブルシンクで、大量のお湯が頭上から降り注ぐレインシャワーを備えています。
レストランは客室フロアより下層階の28階にあります。フランスのレストラン・ガイドブック「ミシュラン」で3つ星と2つ星に輝くロンドンの有名シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏が手掛けるモダンフレンチ・レストラン「ゴードン・ラムゼイatコンラッド東京」、フレンチブラッセリー「セリーズbyゴードン・ラムゼイ」が入りました。中国料理「チャイナブルー」、日本料理「風花」もあります。
東京では今後も最高級ホテルのオープンが相次ぐ予定です。マンダリンオリエンタル(同・日本橋)が12月、ザ・リッツ・カールトン東京(同・赤坂)、ザ・ペニンシュラ東京(同・有楽町)が2007年に開業するスケジュールになっています
東京で現在、客室平均単価5万円台を維持しているのはパークハイアット東京だけだそうです。そこに今後2年間で、コンラッドを含めて4ホテルが出現するわけで、最高級ホテル同士の競争が激しくなるのは確実です。
「コンラッド」ブランドでは欧州、米国、アジア、中東、アフリカで17ホテルを展開しています。中国には既に香港に香港港麗酒店(コンラッド香港)がありますが、さらに上海と北京に進出するとみられています。
「コンラッド」とは、ヒルトングループの創業者で、伝説のホテル王、コンラッド・ヒルトン(1887〜1979)のファーストネームから取られています。同グループは世界50カ国で約1900ものホテルを手がけています。パリス・ヒルトンとニッキー・ヒルトンのヒルトン姉妹はコンラッドのひ孫に当たります。
[関連サイト]
・「コンラッド東京」の公式サイト
http://www.conradtokyo.co.jp/
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