スーツケース・メーカー大手のエースがレディース向けスーツケースの新ブランド「Tabi(タビ)」を発売します。ファッションデザイナーの永沢陽一(ながさわ・よういち)氏がデザインを監修しました。35歳以上の女性を主なターゲットに据えているそうです。
同社は長く、スーツケースの代名詞的存在となっている「サムソナイト(Samsonite)」をライセンス販売してきましたが、2004年12月に契約が切れました。「Tabi」は「サムソナイト」に替わる主力ブランドとして期待しています。
永沢氏は1957年京都府生まれ。96年から「ヨウイチ・ナガサワ」ブランドでパリコレクションに参加しています。2004年には毎日ファッション大賞を受賞しました。自らの名前を冠した「ヨウイチ・ナガサワ」ブランドのほか、「ノーコンセプト・バット・グッドセンス(NO CONCEPT BUT GOOD SENSE)」ブランドも手がけています。
80年に渡仏し、パリで熊谷登喜夫氏のアトリエに飛び込み、キャリアがスタートしました。87年にチーフデザイナーになりましたが、その年に熊谷氏が死去。しばらく「トキオ・クマガイ(Tokio Kumagai)」ブランドを支えた後、91年に帰国して自分のブランドを立ち上げました。
92年に最初のコレクションで第10回毎日ファッション大賞の新人賞・資生堂奨励賞を受賞しました。服地が入手できなかったため、ウレタン素材で作った構築的な作品が評価されました。
一般的なファッションデザイナーの枠を飛び越えた仕事ぶりで知られています。「無印良品」のデザインを監修しています。2004年4月に一新された東京地下鉄(東京メトロ)の制服もデザインしました。シューズブランド「ニューバランス(New Balance)」とのコラボレーションを試みて、ヒットさせたことでも知られています。
一方、「サムソナイト」もおしゃれに変身します。KDDI(au)の携帯電話「talby(タルビー)」 をデザインした工業デザイナー、マーク・ニューソン(Marc Newson)氏を起用した新スーツケース「スコープ」を夏以降、発売します。「サムソナイト」としては異例のカラーリングで、イエロー、オレンジ、ブルー、グレーの4色があります。
米国のスーツケース大手のサムソナイト・コーポレーションは4月、日本法人のサムソナイト・ジャパンを設立し、日本市場の開拓に力を入れ始めました。従来商品よりも軽くて、耐久性や撥水性に富む新素材で作ったスーツケース「エックス・ライト」「ヴィンテージ」「スコープ」の3シリーズを投入します。日本と欧州の同時発売を予定しているそうです。日本では直営店も展開します。
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