東京コレクションに参加しているファッションブランド「シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」が相次いで気になる仕掛けを見せています。6月18、19日には原美術館(東京・品川)で「シアタープロダクツのワークショップ ハンカチとハンカチを結んで、はて、服ができるかな。」を開催。10日には都内で午後9時から始まり、午前5時過ぎまで続いた「マヨナカノセール」を開きました。
「シアタープロダクツ」は2001年に「洋服を作る劇団」というコンセプトで設立されたファッションブランドです。自分たちでは「アパレルメーカー」と称しています。洋服を商品として売るだけでなく、作る過程や販売方法についても演劇的な仕掛けを続けています。
原美術館でのワークショップは1枚の布から洋服を生み出す試みです。ハンカチやスカーフといった四角い布を結び合わせてドレスを仕立てます。デザイナーの武内昭、中西妙佳(なかにし・たゆか)の両氏が講師となって、参加者に服作りの楽しさを伝えます。作品は持ち帰れます。
「マヨナカノセール」は同ブランドで年2回の定期イベント化しているイベントです。午後9時にスタートし、翌朝午前5時過ぎまで続くので、日ごろ、日中に買い物が難しい人に人気があるそうです。
2005―2006年東京コレクションのショーには、ジャクージバス付きの巨大リムジンが登場しました。ドイツのBMWの日本法人、ビー・エム・ダブリューが宣伝用に提供する小型車「ミニ」のストレッチリムジン。全長は市販車の2倍近い6メートルもあり、リアにはジャクージバスを備えていました。
販売手法も演劇的です。東京・渋谷のファッションビル「ゼロゲート」内のショップ「シアタープロダクツ渋谷店」では、ファッションショーに出演したモデルが「生きたマネキン人形」を演じました。大きな布に張り付いたTシャツを、客が自分ではがして買うという、消費者参加型のTシャツ展示販売会を開いたこともあります。
「シアタープロダクツ」はデザイン担当の武内氏、中西氏と、宣伝広報担当の金森香(かなもり・かお)の3氏が2001年に立ち上げました。1976年生まれで社長の武内氏は「コム・デ・ギャルソン(COMME des GARCONS)」のパタンナーを務めた経験があります。77年生まれの中西氏はサンエーインターナショナル勤務を経て独立。2人ともファッション専門学校のエスモードジャポン卒です。74年生まれの金森氏は、ロンドンにあるファッションの名門校、セントラル・セント・マーティンズ校(Central Saint Martins School of Fashion)を卒業しています。
[関連サイト]
・「シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」の公式サイト
http://www.theatreproducts.co.jp/
・原美術館の公式サイト
http://www.haramuseum.or.jp
|