フランスのファッションブランド「クレージュ（courreges）」のデザイナー、コクリーヌ・クレージュ氏がデザインした電気自動車が６月６日、東京都内で披露さまれした。近未来風デザインのコンセプトカーです。市販化の計画があるそうです。

　カプセル型の「ビュール」とカッチリした「ＥＸＥ」の試作車２台が公開されました。「ビュール」は中国で発売するプランが持ち上がっています。早ければ２年後にも市場に出回る可能性があるそうです。

　今回のコンセプトカー発表は愛知万博の関連イベントです。京都市から愛知万博（愛・地球博）会場まで、電気駆動車やハイブリッド車といった環境に配慮したエコカーが走るラリーに参加します。

　フランスのデザイナー、アンドレ・クレージュ（Andre Courreges）氏が１９６１年に創業したブランドです。未来的・宇宙的な斬新さと、女性らしいかわいらしさを兼ね備えたデザインで知られています。白をベースにしたパステルカラー使いがお得意です。アンドレ氏の妻であるコクリーヌ氏もデザイナーを務めています。

　アンドレ氏は５１年、当時のトップデザイナーだったクリストバル・バレンシアガ氏のもとに６カ月間も通いつめ、無給を条件に弟子入りを認めてもらったそうです。入門１０年を経て、独立。クレージュ・デザイン社を設立しました。コクリーヌ氏も「バレンシアガ」で見習いをしていて、アンドレ氏と知り合いました。

　６０〜７０年代にミニスカートやミニドレスを相次いで発表し、ブームを起こしました。ミニスカートの考案者は英国のデザイナー、マリー・クワント氏だというのが通説ですが、オートクチュールのコレクションで最初にミニを発表したのは「クレージュ」だといわれています。

　宇宙服っぽいデザインやシースルー・ルックでも話題を呼びました。日本ではライセンス生産を広げすぎた結果、一時、「クレージュ」と銘打った商品が市場にあふれ、ブランドイメージを損なったきらいがあります。