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  (6/4 17:02) [news] 「東京発 日本ファッションウィーク」に求められるもの

 「パリコレクションの日本版」を目指して、現在の東京コレクションに代わる新ファッションイベント「東京発 日本ファッションウィーク」が2005年秋からスタートしますが、単に日程を短縮し、名前を変えるだけではパリコレにはなれません。ただでさえ注文のうるさいバイヤーやファッションジャーナリストを東洋の島国に呼びつけるには、旗振り役の経済産業省の想像を超えた取り組みが必要となります。

 2005年春夏パリコレは2004年10月4〜11日の日程で開催されました。2006年春夏も同様の日程とみられます。その場合、10月31日〜11月9日まで開催の「日本ファッションウィーク」のスタートまでに、パリコレ終了から約20日間も空いてしまうことになり、バイヤーやファッションジャーナリストを呼び込むのは難しいでしょう。2006年からはパリコレ直後に時期を移す予定だそうですが、どうして最初からそうしないのか首を傾げたくなります。

 パリやミラノのコレクション会場では数々のブランドやファッション企業がバイヤーやファッションジャーナリストを驚かせ、もてなし、インスパイアします。会場へのアクセス、招待状、入場チェック、時間配分、軽食、空調など、ファッションショーだけでもたくさんの注文が付きます。もちろん何より大事なのは作品です。わざわざ欧州や北米からロングフライトで来た彼らを満足させる仕組みを作るのは、大変な仕事です。

 まして日本には言語の壁があります。英語が共通語として使えるとは言っても、多国語対応が望ましいのは間違いありません。少なくともフランス語やイタリア語は無料の通訳が常駐する必要があるでしょう。

 各ブランド、メーカーのプレスや報道担当者も最低限、英語が話せなければ、招いておいてかえって不愉快な体験だけを与えて返すことになりかねません。外務省や各国大使館の協力が欠かせませんが、経産省がこうした支援をまとめ上げることができるかどうかは不透明です。

 日本ファッション協会、日本アパレル産業協会、日本百貨店協会、東京ファッションデザイナー協議会などがこぞって協力態勢を敷いています。しかし、こうしたシステムは東コレでも形式上は存在していました。問題は質です。

 人を招き、人をもてなす。ビジネスベースに力点が置いて今回の設立が報じられていますが、大事なのはこの「ヒューマンリレーション」の視点です。デザイナー、バイヤー、ファッションジャーナリストらの人肌のネットワークをどう作り上げるか。今後は開催に向けてこうした議論を積み上げる必要がありそうです。

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