ファッション誌の内幕をこれ以上ないほど辛らつでコミカルに描いたベストセラー小説『プラダを着た悪魔（The Devil Wears Prada）』が映画化されます。映画はコメディ仕立てになると思われます。ハリウッド指折りの大女優、メリル・ストリープが編集長役を演じるようです。

　主人公のアシスタントが仕える鬼編集長のモデルは、ファッション界に絶大な影響力を持つ米「ヴォーグ（Vogue）」誌のアナ・ウィンター（Anna Wintour）編集長だという見方がもっぱら。その役を演じるのがストリープだとか。ファッションフリークにとっては見逃せない映画になりそうです。

　主人公は大学を出たばかりの田舎娘、アンドレア・サックスです。彼女がつかんだ憧れの仕事は、ファッション誌の最高峰、「ランウェイ」誌の編集長、ミランダ・プリーストリー氏のアシスタント。しかし、喜んだのもつかの間。実はこの女編集長は部下を罵倒しこき使う、「プラダを着た悪魔」だったのです。

　スティーブン・スピルバーグ氏と俳優のトム・ハンクスが製作総指揮を務めた戦争巨編シリーズ「バンド・オブ・ブラザース」を手がけたデビッド・フランケル監督が撮るそうです。同監督の「マイアミ・ラプソディ」には、米国のテレビドラマ「セックス＆ザ・シティ」で主演した女優、サラ・ジェシカ・パーカーが出演していました。

　ストリープは１９４９年米国生まれ。７９年、ダスティン・ホフマンと共演した「クレイマー、クレイマー」で米アカデミー助演女優賞を受賞しました。８２年には「ソフィーの選択」で同主演女優賞を獲得。オスカー２冠の大女優です。そのほかにも「恋におちて」「マディソン郡の橋」「めぐりあう時間たち」などに出演しています。

　原作小説が２００３年に米国でベストセラーになった際、「この編集長は誰だ？」という議論が起きました。著者のローレン・ワイズバーガー（Lauren Weisberger）氏が「ヴォーグ」誌で編集アシスタントとして働いていたという点から、ウィンター氏だろうという見方が一般的です。日本語版は早川書房から出版されています。