形も色もフツーじゃない。ジャン・ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)氏らしい型破りのアイデアがいっぱいです。ギンギラのラメ使いもド派手です。
グレー無地のマニッシュなジャケットは首元がワイシャツのように詰まっています。共生地のネクタイを締めて、ジャケットともシャツともつかない不思議な形に仕上げました。ポケットは右脇に2個、左脇に1個です。シルバーに光り輝く、アルミホイルのような生地でパンツを仕立てました。長い毛足のかぶり物を頭のてっぺんに乗せています。
ミリタリー風のロングジャケットはグレー。両胸と両ももにフラップ付きポケットが付いています。真っ赤なジャケットにはワインカラーの総ラメスリムパンツを合わせました。英国のロック歌手、デビッド・ボウイ(David Bowie,)らに代表される「グラムロック」のグリッター感が感じられます。
バッグは「シャネル(Chanel)」を思わせるチェーン付きの肩掛けタイプ。長い毛足のファーが全体を覆っています。真っ黒い、肌にぴったりしたパンツを合わせています。
スエード風のレザーコートは黒で、フロントの打ち合わせは斜めになっています。裾のラインも左右アシンメトリー(非対称)。裾先は鋭角的に処理されています。肩から白く長い毛を垂らしています。レザーが黄土色のタイプもあります。
川久保玲氏やマルタン・マルジェラ氏を思わせる、衣服の約束事を意図的に崩すような企みが目立ちました。明るいブラウンカラーのコートは肩が落ちるオーバーサイズ。チャコールグレーのワンピースではフリルの襟をだらんと胸前に垂らしています。
バックルを縦3連にした幅20センチもあるワイド広ベルトがおもしろい。首に黒いひもを巻いて、端を垂らす演出も。正面ではなく、ずらして垂らしています。
ソワレラインでは真っ青なコバルトブルーのロングドレスを見せました。首の周りをぐるっと1周巻く薄手の大襟は大迫力。「エルメス(Hermes)」で表現しきれない踏み込んだスタイルを、自分のシグネチャーブランドでは意識的に展開しているように見えました。
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