英国の老舗がレディースのラグジュアリーラインを立ち上げ、初めてのコレクションに参加しました。マニッシュな細身パンツを押していました。「ダックス(DAKS)」らしいベージュや茶色、グレーをベースにしています。
ベージュの膝丈ワンピースの上に、パイソン柄のオリーブグリーンの腰丈コートを羽織らせています。薄緑は何度も登場した色です。全体に原色ではなく、ハーフトーンの色合いを多用していました。
くすんだピンクのトレンチ風コートと、薄緑のインナー、サンドカラーのパンツを組み合わせています。サンドカラーのパンツは、総柄のブラウスとのマッチングも見せました。
ストールを首にかけてルーズに垂らす演出を何度も見せました。胸の前でゆるく結んだり、俳優・中尾彬のようにねじったり、リボンネクタイ風にしたり。様々な見せ方を工夫しています。
ベージュ地に赤、黒の細かいチェック柄が入ったパンツはかなりマニッシュです。この柄はトレンチコートにも使われています。
肌色の長袖ニットは一瞬、何も着ていないのかと錯覚させられます。帽子、襟巻き、細身パンツはすべて真っ黒。すっきりした組み合わせです。
黒ずくめのシリーズも何点か登場しました。マットな黒の丸襟ジャケットに、光沢ある生地のクロップトパンツを合わせていました。ジャケットはおへその辺りに大きなリボン結びをあしらっています。
ソワレラインは黒とゴールドを多用しています。光を反射して輝くゴールドの生地でフレアスカートやミニスカートを提案しています。胸元が大きく開いた黒のミニドレスも見せました。
目を引いたのは、ピンクゴールドの生地で作った肩出しミニドレス。全体がティアードスカートのような見た目になっています。大きく4段になっていて、「Aライン」風に裾へ向かうほど広がっています。
初めてのコレクションということで、バリエーションを出したかったのかもしれませんが、少々手を広げすぎた感があります。無地のグレーパンツと、きらめくゴールドのフレアスカートが混在するようなコレクションになりました。
ティツィアーノ・マジリ(Tiziano Mazzilli)とルイズ・ミチェルセン(Louise Michielsen)の男女デュオがデザイナーを務めています。「ボヤージュ(Voyage)」ブランドを創設したことで知られています。
創業者のシモン・シンプソン氏が1894年、ロンドンに最初の仕立て店を開きました。ブランド名は「父親」の愛称「DAddy」とスラックス「slacKS」からの造語。同ブランドはスラックスに伸縮自在のゴムを採り入れた功績で有名です。
もともとは紳士服メーカーですが、1937年からはレディースにも進出しています。日本では三共生興が販売しています。英国のダックス・シンプソン社は三共生興の子会社です。91年に三共生興がダックス社を買収しました。
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