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  (4/20) 2005―2006年秋冬・パリコレクション解説 「エマニュエル・ウンガロ(Emanuel Ungaro)」

 「モスキーノ(Moschino)」のデザイナーだったヴァンサン・ダレ(Vincent Darre)氏を迎えた初のコレクションです。「エマニュエル・ウンガロ」らしいマルチカラーの作品が相次ぎました。

 黒の膝上ドレスは両脇にだけ柄を置いて、くびれたウエストをアピールしています。白のドレスは襟ぐりをオフセンターにしています。身頃と一体化した巨大なリボンをバストしたに置きました。リボン周りに優美なドレープが生まれました。

 黒のオフネックのスタンドカラージャケットもドレープで黒無地とは思えないような立体感を出しています。「ウンガロ」らしい総柄のドレスでもバスト下にギャザーを寄せています。胸元にリボンを置いてアクセントにした作品もありました。

 青、赤、黒、黄色を複雑にミックスした半袖のトップスに、真っ赤なティアード・ミニスカートという組み合わせはかつての「色の魔術師」がよみがえったかのようです。光沢あるオレンジのトップスには肩口に共生地の巨大ボウ。黒のミニスカートは白い花弁モチーフがフェミニン。ウエストは高い位置に設定しています。

 カラフルな帯で上半身をぐるぐる巻きにしたようなジャケットには見とれてしまいます。ボトムはあえてシンプルな白無地の膝丈パンツにしています。

 裏地やインナーに目の覚めるようなイエローを使っています。矢印のような幾何学モチーフ、曲線模様、ヒョウ柄など、柄の見本市のようなショーになりました。

 ソワレラインではエメラルドグリーンの帯を肩から斜めにクロスさせたようなラインが目を引きました。スペインのシュールレアリスム(超現実主義)のアーティスト、ジョアン・ミロを思わせる、原色を生き物のようにのたうちまわらせたローブ・デコルテのミニドレスは圧巻です。スカートはバルーン気味です。片袖の肩口を巨大にふくらませたブライトイエローのドレスも迫力があります。

 ダレ氏は「イヴ・サンローラン」「クロエ」「フェンディ」「ブルマリン/アンナ・モリナーリ」「プラダ」などを歴任。2001年から「モスキーノ」を手がけていました。前任者のジャンバティスタ・ヴァリ(Giambattista Valli)は2001年から「ウンガロ」の主任デザイナーを務めてきました。

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