いわゆる「おたくアート」の第一人者で、「ルイ・ヴィトン」ブランドのバッグにデザインを提供したことで有名な村上隆氏が監修した、日本のサブカルチャーアート展覧会が４月８日、ニューヨーク市のジャパン・ソサエティー・ギャラリーで始まりました。７月２４日まで開催されます。「ルイ・ヴィトン」は２００５年春夏でも村上氏デザインのサクランボ柄のバッグを投入。ヒットさせました。

　「おたく文化」を象徴するような絵画やオブジェなど１５００点を展示しています。おでこの広い、三白眼でにらみつける目がモチーフの画家、奈良美智氏の作品も展示されています。

　美術展のタイトルは「リトルボーイ　爆発する日本のサブカルチャー・アート」。タイトルは広島に投下された原爆の名前です。展示は広島・長崎の原爆投下の映像から始まり、「原爆で失われた日本のヒューマニティーを埋める形でおたく文化が広がった」という村上氏の仮説を裏付ける格好で展示が続きます。

　「ウルトラマン」「ゴジラ」「ドラえもん」などの資料も展示。戦後日本の現代美術とサブカルチャーの関係を解き明かしています。市内の公園や地下鉄駅なども展示会場となっています。

　ニューヨークの非営利の民間団体、ジャパン・ソサエティーは、日米の文化交流に貢献した文化人に贈る「文化芸術賞」の第１回受賞者に、村上氏、オノ・ヨーコさん、米国人舞台演出家のロバート・ウィルソン氏の３人を選びました。

　村上氏は等身大の美少女フィギュアや、アニメのようなキャラクターで知られています。２００３年にはニューヨークで屋外彫刻展を開催しました。最近ではフォークデュオのゆずの初のベストアルバム「Ｈｏｍｅ【１９９７〜２０００】」「Ｇｏｉｎｇ【２００１〜２００５】」のＣＤジャケットを描き下ろしています。