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  (4/13) 2005―2006年秋冬・ミラノコレクション解説 「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」

 ベルベットのドレスを押しています。小物で有名な「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」は今回、実質的に初めてといえるフルラインのコレクションを披露しました。カシミアのピーコートやレザーのトレンチコートなど、革や毛皮を使ったアウターに力を入れています。

 ダークカラーの膝丈レザーコートはダブルブレストで、折り返した大襟がアクセント。クラシックなグレーの作品が相次ぎ、膝丈スカートのスーツやゆったりめボトムのパンツスーツ、ダブルブレストの広襟コートなどが見られました。スーツは1ボタンで、首の詰まったニットで合わせています。

 バストが透けるシースルーの長袖ニットにベーシックな膝丈スカートをセットする組み合わせを提案しています。

 メタリックな輝きを放つテキスタイルを使った膝丈スカートは歩くたびに光が波打つようでインパクト大。ノースリーブ・ドレスと靴にまで使って、全身メタリックシルバーに見せてしまう演出も。「キラキラ生地」はジャケットのインナーにも使っていました。

 ファーはショートマフラーに。襟元でキュッと結んで、首周りに視線を集める効果を挙げていました。

 光沢のあるオレンジの生地を使ったパンツスーツは、トップスがジップアップで、袖先や裾をジャージ風に絞ったスポーティーなスタイル。パンツはゆったりとしています。首にはファーのショートマフラーを巻いています。

 ライトグレーのレザーを使ったトレンチコートの質感は「ボッテガ・ヴェネタ」ならではの丁寧な仕上がり。「コートドレス」と呼べる高級感が感じられます。若草色のコートには目を奪われました。

 ベルベットを多用しています。ドレス、ジャケットやブーツ、スカートなどに色を変えて採り入れています。ミッドナイトブルー、インクブラック、こげ茶、ピンクパープルなどの上品な色使いが目立ちました。

 ソワレラインでは光沢のある薄手のシフォン生地を使い、1枚の布を巻き付けたようなゆったりしたデザイン。古代ギリシャ風です。腰元や足首の生地をつまんで複雑なしわを生んでいます。歩くたびに風をはらんでエアリーな表情を見せます。

 大きめの手提げバッグは持ち手部分まで1枚革で仕立てました。横長バッグはサイドにドレープをふんだんに。リザード(は虫類)革のパッチワークを施したバッグも見せました。

 レザーの細かいメッシュを前面に配した伝統の編み上げバッグや、大きなチェーンを革で一つ一つこしらえたバッグは繊細な職人芸を感じさせます。レザー製のバングルや、大きな石を埋め込んだ極太バングルを3本、4本と重ね着けするスタイルは流行を予感させます。

 ドイツ出身のデザイナー、トーマス・マイヤー(Tomas Maier)氏が2002年春夏シーズンから主任デザイナーを務めています。マイヤー氏はパリのオートクチュール協会付属の学校を卒業。フランスのエルメス社で9年間、レディース向けプレタポルテ(高級既製服)やレザー、アクセサリーのデザイナーを経験しました。1998年から自らの名前を冠したブランドをスタートさせています。

 イタリア北部の町、ヴィチェンツァに本社を置く「ボッテガ・ヴェネタ」ブランドは1966年に創業。2001年にグッチ・グループの傘下に入りました。皮革ブランドから総合ファッションブランドへの脱皮を成功させつつあります。

 職人の手仕事による「イントレチャート(メッシュ編み)」はブランドのシンボル的存在です。革テープを編み上げた、サイドに縫い目のないトートバッグ「カバ」は特に有名です。

 日本では日本法人のボッテガ・ヴェネタジャパンが展開しています。2002年8月、東京・青山に旗艦店を開業しました。

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