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  (4/4) 2005―2006年秋冬・パリコレクション解説 「シャネル(Chanel)」

 ガーリーなテイストと英国クラッシク調を組み合わせたコレクションとなりました。長いレッグウォーマーという奇抜なアイテムを採り入れています。

 「モードは私の後にできる」とでも言いたげな、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏の自信がうかがえる、新味の多いコレクションでした。全体に白と黒のモノトーンの組み合わせを重視しています。ツイードも白と黒の糸を使っています。

 高襟の白シャツに極細の黒ネクタイ、黒のジャケットでトップスをまとめ、ボトムは黒のミニカート。その下にももの辺りまである超ロングブーツ。まるで黒レザーのパンツをはいているかのようです。たっぷりとシャーリング(たるみ)を持たせています。

 手には定番のチェーン付きキルティングレザーの「シャネルバッグ」を提げさせました。「ミニ+超ロングブーツ」は今シーズンの狙い目のようで、素材や組み合わせを変えつつ、何度も登場しました。

 スカートの下に長いレッグウォーマーをはくスタイルはラガーフェルド氏らしからぬ、やや奇をてらった演出です。トップスやスカートに合わせて、様々な素材を使っています。光沢のある繊維で織ったピカピカツルツルのものや、ツイード地、シースルータイプなどが目を引きました。すそはハイヒールのかかとにかぶせています。

 ラガーフェルド氏お得意の高い襟の白シャツは何度も使われていました。このシャツはラガーフェルド氏自身のトレードマークにもなっています。

 Tシャツの裾をそのまま下に伸ばしたような、膝上のワンピースはフロントの腰の辺りに真横に着られたインサイドポケットがアクセントになっています。

 「シャネル」伝統のツイードでは全体に霜を降らせたようなブラック&ホワイトの生地でミニドレスを仕立て、共生地のショルダーバッグを添えました。ツルツルの薄手で白の長いレッグウォーマーを合わせています。

 共生地を多用し、セット感を強調しています。トップスと帽子のセットのほか、マフラー、バッグとの共生地使いも目立ちました。

 膝で絞ったニッカボッカ風のパンツにもレッグウォーマーを重ねました。パンツはふわっとしたルーズタイプで、女らしさを感じさせます。腰回りには金属製のチェーンを取り回して変化を出しています。

 グレー、ベージュ、白のボーダー柄のインナー、カーディガン、レッグウォーマーのセットでは、プリーツスカートが効いています。カーディガンはヒップまで隠すロングサイズです。

 意外感のある上下の取り合わせが気になりました。胸元を深く切れ込ませたスリムジャケットに、膝で絞ったクロップトパンツを合わせています。黒のショートジャケットにはハイウエスト付きのプリーツスカート。首や腰にはアクセサリーをじゃらじゃら重ねました。肌が透ける薄手のレッグウォーマーをわざとところどころでたるませています。

 リボンアイテムがあちこちに顔を出しています。タイトパンツでは膝上に黒いリボンを巻き付けていました。黒のワイドパンツでは腰元に大きなリボンをあしらいました。デニムパンツにも合わせていました。

 ほかのメゾンではファー(毛皮)の打ち出しが続いていますが、ラガーフェルド氏はもう見切ったのでしょうか、ファーは帽子ぐらいしか使われていません。むしろブラックレザーを重用しています。例外はムートン。ムートンの膝丈コートは前面に4個のポケットを配し、袖先は切り開いています。帽子もセットにしました。

 小物では指先だけが出た、ひじまである革手袋が目に付きました。黒のハイヒールでは白い細ベルトを足の甲から足首にかけて複雑に絡みつかせていました。白の超ロングブーツは爪先だけを黒にしました。

 下まぶたに黒ではっきりまつげを描くメークは斬新。もうとっくに大御所になっているのに、何歳になってもチャレンジ精神を忘れないラガーフェルド氏には本当に頭が下がる思いです。

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