米国・ニューヨークのソーホー地区にあった「ヘルムート・ラング（Helmut Lang）」のデザインオフィスが閉鎖されたそうです。既に事務所からヘルムート・ラング氏本人は退去しているとみられ、同ブランドは実質的にデザインスタッフを事務所ごと失ったようです。

　ラング氏は１９９６年、それまでのパリからニューヨークへビジネスのベースを移しました。以後、ソーホーのオフィスは同ブランドのデザイン部門のヘッドオフィス的機能を果たしてきました。ラング氏は２００５年１月、プラダグループから離脱しています。

　プラダグループは１９９９年、ラング社を買収。さらに２００４年には１００％子会社としました。ラング氏の離脱はプラダ側との経営方針の対立が理由とみられています。

　ブランド建て直しのカギは後継デザイナー。一部では「プラダ・スポーツ」を手がけているクリスティアン・ニーセン氏が就任するのでは、という観測が流れています。ソーホーで働いていたデザインスタッフをミラノへ移してデザインを引き継ぐというプランもあるようですが、プラダ側は方針を発表していません。

　「ヘルムート・ラング」は２００５―２００６年秋冬パリ・コレクションへの参加を見送りました。今は２００６年春夏コレの準備をしていなければならない時期ですが、現状では参加は難しいかもしれません。