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  (3/28) 2005―2006年秋冬ミラノ・コレクション解説 「アレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell'Acqua)」

 シフォンをはじめとするふんわりした薄手素材を使い、軽やかにまとめ上げています。ポンチョ風のショート丈ジャケットとミニドレスの重ね着も提案しています。

 明るい紫がキーカラーになっています。同色のスカーフを首に巻いたミニドレスは目を引き付ける効果抜群です。腕はシースルー。黒の編みタイツはほかの組み合わせにも使っています。この色を使い、大ぶりの柄を配したスカートやドレスも打ち出しています。

 近年の流行となっているショート丈ジャケットを積極的に採り入れました。。アレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell'Acqua)氏は立ち襟のマタドール(闘牛士)風ショート丈ジャケットをミニドレスに重ねました。ポンチョ風のショート丈ジャケットはミニドレスとよくマッチしています。

 ゴールドやシルバーの光り物をジャケット、スカートにふんだんに使っています。ショートブーツにもゴールドとシルバーの切り替えを配しました。鈍く輝くスパンコール風のストリングスを上手に使っていました。幅15センチ程の長い帯を首に巻いて、ももの辺りまで垂らすほか、二重に首に巻いてアクセントにしていました。

 ショートブーツはフロントジップ。爪先やかかと、ヒールにスタッド(鋲)を打ち付けています。

 イタリアのブランド「ボルボネーゼ(Borbonese)」でコレクションラインの主任デザイナーを務めています。「ボルボネーゼ」はウズラ目(バーズアイ)模様のバッグで有名。ボルボネーゼ社は、フランスの宝飾メーカー「ヴァン・クリーフ&アーペル」傘下。「アレッサンドロ・デラクア」ブランドも2003年、アーペル・グループに買収されています。

 デラクア氏はセクシーでパンキッシュなミックステイストを得意としています。官能的でフェミニンなラインで知られていますが、近年は徐々に過剰なセクシーさは手控えられているようです。ニットの経験が豊富で、ニット使いが巧みです。

 1962年にイタリアのナポリで生まれました。地元ナポリの名門美術学校(the Naples Belle Arti's Accademia)を82年に卒業。天才的なニットデザイナーのピエトロ・ピアンフォリーニ(Pietro Pianforini)の下でデザイナーとしてのキャリアをスタートしました。

 88〜93年、「ジェニー(Genny)」のヤングラインを担当。アイスバーグ(Iceberg)、マスカ(Maska)、レ・コパン(Les Copains)、マリエラ・ブラーニ(Mariella Burani)などのデザイナーを経て、94年に自分のブランドを立ち上げました。

 96年春夏ミラノ・コレクションで「アレッサンドロ・デラクア」ブランドのレディースコレクションを発表。ベル・メーユ社のブランド「アー・アー・ミラノ(A-A Milano)」のデザイナーも兼ねています。2001年から「ボルボネーゼ」のデザイナーとなっており、カール・ラガーフェルド氏らと同じ、複数ブランドを手がける「マルチブランド・デザイナー」として評価されています。

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