ファッション誌「ＶＯＧＵＥ（ヴォーグ）　ＮＩＰＰＯＮ」を出版する日経コンデナストは、日本経済新聞社から３０％の出資を受けていましたが、日経はこの出資を解消します。米国の出版社大手のコンデナスト社のグループ会社に９月末、日経の出資分を譲り渡し、資本面では関係を解消すると発表しました。販売面での協力は続けるようです。

　日経コンデナストは１９９７年、日経と米コンデナストが共同出資して設立されました。日経コンデナストは１０月に社名を変更するそうです。「ＶＯＧＵＥ　ＮＩＰＰＯＮ」の発行は継続します。

　日経コンデナストは男性誌「ＧＱジャパン」も発行しています。両誌の編集長を兼ねる斎藤和弘氏はマガジンハウス社のライフスタイル誌「ＢＲＵＴＵＳ（ブルータス）」の名物編集長として知られ、その移籍劇は出版業界の話題を呼びました。

　日経はもともと経済ニュースがメーンで、ファッション誌の経験は全くありませんでした。しかし、ライフスタイル・プロデューサーのフランソワーズ・モレシャン氏が橋渡し役となって日経を日本側パートナーとして、「ＶＯＧＵＥ　ＮＩＰＰＯＮ」が創刊されたといういきさつがあるそうです。

　「ＶＯＧＵＥ」は１８９２年に米国で創刊されました。日本は１２番目の現地版となりました。米国版は８９年に就任したアナ・ウィンター編集長が手腕を振るい、立て直しました。今では高級ファッション誌では世界最大の部数を誇っています。