英国のレディースウエア、インテリアのブランド「ローラ・アシュレイ（Laura Ashley）」で混乱が続いています。共同社長だった２人が１、２月に相次いで辞任する異常事態となり、株価も低迷しています。

　共同社長だったレベッカ・ナバレドナム氏が１月１日付で辞任し、残ったもう一人の社長、アイナム・サイド氏も２月１日付で社を去りました。背景には売り上げ不振があるとみられています。

　売り上げ不振が最も深刻になっているのはレディースウエア部門。「クリスチャン・ディオール（Christian Dior）」や「ジバンシィ（Givenchy）」で経験を積んだアリステア・ブレア（Alistair Blair）氏が２００４年秋冬からレディースのデザインを手がけるようになりましたが、ブランド建て直しには到っていないようです。

　「ローラ・アシュレイ」は１９５３年、ロンドンでスタートした、英国のブランドです。創業者はローラ＆バーナード・アシュレイ夫妻。花柄プリントのレディースウエアが有名です。英国カントリー調のカーテンやソファなどのホーム用品でも知られています。

　しかし、花柄プリントのイメージが強すぎて、徐々に顧客離れが進みました。９０年代には７人も社長が交代しています。９８年にはマレーシアのマレーシアン・ユナイテッド・インダストリー（ＭＵＩ）が筆頭株主になっています。２００４年１月期には黒字転換したものの、今回の騒動で再び業績が落ち込むことが心配されています。

　先頃、創業者の人生をつづった『ローラ・アシュレイ　デザインに捧げた人生』（バベル・プレス刊、アン・セバ氏著、渡邉理恵子氏訳）が出版されました。「ローラ・アシュレイ」では売り上げに占めるレディースウエアの割合がかつてに比べて格段に下がり、今ではホーム・インテリア用品が７割近くを占めているそうです。

　こういう状況ではデザイナーを入れ替えても、なかなかイメージを変えることは難しそうです。鳴り物入りで迎えたデザイナー、ブレア氏は既に辞任しています。次のデザイナーは荷の重い仕事を引き受けることになりそうです。