東京・銀座のセレクトショップ「リステア(RESTIR)東京」が3月12日、リニューアルオープンしました。店舗の改装だけでなく、「リステア」ウェブサイトとの融合を進めたのが、今回のリニューアルのポイントです。
店舗はこれまでの白を基調にしたカラーリングから、黒主体に大きく様変わりしました。「ラグジュアリーでエッジィな空間」を意識した変更で、「世界標準のセレクトショップに変革」するための第1歩だそうです。店名ロゴもゴシック体に変わりました。
売り場構成での変化としては、従来からあったラウンジとVIPルームの家具や内装をグレードアップし、高級感を高めています。ラウンジではシャンパンやワイン、コーヒーなどを提供します。VIPルームではプライベートスタイルの接客を受けることができるそうです。
売り場では天井から服を吊すディスプレーを採用。フィッティングルームは全室それぞれに異なった照明や壁面ペインティングで、試着そのものが楽しめるように工夫しました。キャッシャーにはプロジェクターで映像を流し、支払い時にも目を楽しませてくれます。
「リステア」は2003年9月から「リステアマガジン」と題したサイトを運営してきました。その時期のおすすめ商品やファッション界のトレンドなどを紹介する、セレクトショップの独自サイトとしてはレベルの高いサイトでしたが、今回はさらにコンテンツ(情報の内容)を充実させました。名前も「RESIR.com(リステア・ドットコム)」と改称しました。
これまでのメーンコンテンツである「リステア・マガジン」の中に、書籍ガイドの「THE BOOK STORE」、世界の主要都市のレストランやバー、ホテルなどを取り上げ、ナイトライフを案内する「WORLD MIGHTY GUIDE」、日本の観光ガイド「JAPAN SIGHTSEEING」、コラム「PULP NON-FICTION」を追加しました。店頭で扱っている各アイテムは写真をふんだんに使って取り上げ、価格も明記して、ウェブ上から注文しやすくしました。
目玉コーナーと言えそうなのが、VIP会員向けのオンライン販売サービスの「VIP Room」。メンバーになると、24時間いつでも同店の商品情報を見ることができ、専用スタッフに対応してもらえるということです。店頭での購入実績がある顧客だけが利用できます。このコーナーだけは4月1日のオープン予定となっています。
日本屈指の高級セレクトショップがウェブとの融合をはっきり打ち出したことは、今後、ほかの店舗にも影響する可能性が高いと思われます。既にユナイテッドアローズやビームスはネットを重視し、ウェブサイトを充実させています。しかし、その一方で、オフィシャルサイトすら持たない「ラブレス(LOVELESS)」という不思議な存在もあり、高級セレクトショップの間でもまだインターネットの活用法については大きく立場が分かれているのが実情のようです。
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