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(3/3) 2005―2006年秋冬パリ・コレクション速報 「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」
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パリ・コレクションで先陣を切った「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」は、「ヴィクター&ロルフ」を思わせるようなボリュームたっぷりのリボン結びを披露し、喝采を浴びました。黒で知られる「ヨウジヤマモト」らしからぬショッキングピンクも「新ヨージ」を印象付けています。
サイケデリックなトーンのフーシャ(fuchsia)ピンクのAラインのドレスコートはバスト下に大きな結び目。さらに、ウエストにも色の濃さが異なる2個のピンクリボンに1個の黒リボンを配し、圧倒的なインパクトで観る者に迫ります。シースルーの胸ポケットに薄いピンクのチーフをくしゃっと丸めて突っ込む演出もありました。
ピンクのほかにも色の冒険が続きました。燃え上がるような赤のコートは超長袖で指先まで隠れるほど。過去にも赤を使ったことはありますが、今回は黒の添え物ではなく、ピンクや赤がそれぞれの作品で主役となっていました。「エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)」を思わせる、ピンクや黄色を織り交ぜたレインボーカラーのワンピースはデザイナー、山本耀司氏の密かな決意をうかがわせます。
もちろん、全体として見れば、色は看板の黒がベース。黒のコートには首周りに薄手のブルーリボンを合わせ、黒を生かすアイデアがあふれています。漆黒のダブル風のワンピースは丸襟で、キュートなテイストが感じられます。
襟に素敵な企みがあふれていました。黒のジャケットは、異常に大きく、先端が尖った羽根のような襟が前身頃の鎖骨辺りから伸びていました。ジャケットを2枚、3枚と重ね着したような演出が目を引きます。ワインレッドのダブルジャケットでは襟に黒と赤を重ねています。黒のボウタイ風のオーナメントを加えるなど、襟元の見せ方に様々な工夫が見られました。偶然でしょうが、「ヴェルサーチ(Versace)」も2005―2006年秋冬で巨大な襟をランウェイに送り出しています。
靴にも赤が採り入れられています。全面赤、全面黒のスニーカー風の靴は新鮮。ズック風に靴ひもを使った革靴にもひかれます。サドルシューズ風に黒とピンクの切り替えを施した作品はヒットを予感させます。
薄いシルクシフォンを何層も重ねたレイヤード(重ね着)スタイルを提案。ソフトではかないイメージにまとめ上げています。山本氏は「季節感にとらわれないファッション」を打ち出そうとしたそうですが、その狙いは成功したと言えるでしょう。
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