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  (3/2) 「ジバンシィ」がリカルド・ティッシ氏を起用

 レディースの主任デザイナー不在が続いていた「ジバンシィ(Givenchy)」が新デザイナーにリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)氏を起用しました。30歳のイタリア人であるティッシ氏は日本ではまだあまり知名度が高くなく、今回の人選は「サプライズ」と受け止められがちですが、欧州ではかねてから「イタリアの期待の星」として注目されてきました。

 ティッシ氏はファッションの名門校、セントラル・セント・マーティンズ(Central Saint Martins School)を99年に卒業。同年から自分の名前を冠したブランド「リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)」をスタートさせています。

 もともとティッシ氏は、イタリアのテキスタイル産地として知られる、ミラノの北40キロに位置するコモ市で、テキスタイルデザイナーとしてスタート。「ミッソーニ(Missoni)」をはじめとする有名ブランドのテキスタイルを手掛けたそうです。このテキスタイルの経験が彼のバックボーンとなっています。

 セント・マーティンズ在学中からは「アントニオ・ベラルディ」「ジャスティン・オー」などのブランドと仕事をしてきました。意外なところでは、スポーツウエア・ブランドの「プーマ(Puma)」ともコラボレートしています。

 2002年からはイタリアのレディースブランド「コカパーニ(Coccapani)」の主任デザイナーに就任。それまで「イル・マルケーゼ・コカパーニ」と称していた「コカパーニ」は、ティッシ氏がデザインを初めて担当した2003年春夏ミラノ・コレクションで大喝采を浴びます。マダム向けのイメージが強かった旧「コカパーニ」がエッジィでロマンチックなブランドに変身したからです。今では日本でも有力セレクトショップが展開し、伊勢丹の「リ・スタイル」にも並んでいる「コカパーニ」の再生を果たしたのがティッシ氏なのです。

 イタリアの革製品メーカー、ルッフォ社のレザーブランド「ルッフォ・リサーチ(Ruffo Research)」と、自分のブランド「リカルド・ティッシ」を合わせて、同時に3ブランドを手がけていたこともあります。「ルッフォ・リサーチ」はソフィア・ココサラキ(Sophia Kokosalaki)や、ヴェロニク・ブランキーノ(Veronique Branquinho)、ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)といった才能ある若手を起用することで知られています。

 「リカルド・ティッシ」はミラノ・コレクションに参加しています。ただ、「ジバンシィ」はパリコレですから、今後は不透明です。

 「ジバンシィ」はLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン傘下。LVMHは約8カ月に及んだ後任デザイナー探しをようやく終えることができました。今回の決定に到るまで、ザック・ポーゼン(Zac Posen)、アイザック・ミズラヒ(Isaac Mizrahi)、ソフィア・ココサラキ、ローランド・モーレット(Roland Mouret)、ジャイルズ・ディーコン(Giles Deacon)、アルバー・エルバス(Alber Elbaz、「ランバン(Lanvin)」の主任デザイナー)氏ら、大勢の名前が浮かんでは消えていきました。

 「ジバンシィ」は新デザイナーが決まらなかったせいで、2004―2005年秋冬にオートクチュールのショーを開催できないという状況に陥りました。ティッシ氏は2005年秋冬パリ・オートクチュール・コレクションでデビューするそうです。レディースのプレタポルテ(高級既製服)やアクセサリーも担当します。「コカパーニ」を復活させた手腕が「ジバンシィ」というビッグメゾンでも発揮されることが期待されます。

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