ムートン(羊皮)のヒールなしブーツ「アグ・オーストラリア(UGG Australia)」が日本で着実に支持を広げています。スポーツウエア・メーカーのゴールドウインが2005年秋以降、「アグ」の国内販売を始める予定で、さらに普及に弾みがつきそうです。
「アグ」はずん胴のぺたんこブーツ。羊皮(シープスキン)をシンプルに縫い合わせたような風合いがあります。英語で「不細工」という意味の「ugly」がブランド名の由来だといわれています。
米国の人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City)」の主演女優、サラ・ジェシカ・パーカーらがはいたことから、欧米で流行しました。女優のレニー・ゼルウィガー、グゥイネス・パルトロウらも「アグ」ファンだそうです。日本では並行輸入品が主にセレクトショップで販売されています。
「アグ」は1978年にスタート。オーストラリアではブーツ素材として歴史のあるシープスキンを使っています。
創業者のブライアン・スミス氏が母国・オーストラリアから米国に持ち込んで成功しました。カリフォルニア州でサーフィン後にビーチではけるブーツとして認められました。スミス氏自身がサーファーだったそうです。
一見、少々もっさりした印象がありますが、見た目よりずっと軽い。防水性があり、防寒はもちろん文句なし。しかも夏に涼しい点がサーファーに評価されました。
ゴールドウインは米国のスポーツブランド「チャンピオンプロダクツ」や、アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」、マリンスポーツ・ブランド「ヘリー・ハンセン」などのスポーツアパレルを展開しています。2005年春からは、英国のデザイナーと共同企画した「イーリー・キシモト エレッセ コレクション」を発売しました。「アグ」には靴以外のアイテムもあり、靴の知名度が高まった段階ではアパレルやバッグなどの関連商品の取り扱いも始まりそうです。
「アグ」のほか、外側に毛皮を巻いたぺたんこブーツ「マクラク(mukluk)」も人気が高まっています。イヌイット(アラスカの先住民族)がアザラシやオットセイの毛皮で作った防寒用ブーツが起源です。
「マクラク」はひざ下まで包むシープスキンにファーをプラスしたブーツ。足首部分の外側に、ファーをたっぷり巻き付け、ゴージャス感もあります。女優のジェニファー・アニストン、歌手のビヨンセ、スーパーモデルのケイト・モスらもファンだといいます。足首辺りにボリュームがあるので、足を細く見せる効果もありそうです。
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