近年、成長がめざましいセレクトショップのナノ・ユニバースが出店を加速しています。ナノ・ユニバースは東京や横浜に直営店「ナノ・ユニバース(nano universe)」5店を展開。メンズ、レディースだけをそれぞれ取り扱う小型店「ナノ・ユニバース・グランドフロア」も2店運営しています。新潟市にはFC(フランチャイズチェーン)店も出店しました。
ナノ・ユニバースの親会社はアパレルメーカーのリヴラボ。リヴラボが生産した商品をナノ・ユニバースに卸しています。
同社はセレクトショップとしてはビームス、ユナイテッドアローズなどに比べて後発ですが、現在は1店しかないFC店の展開を本格化させることによって、一気に店舗数を増やす計画のようです。
セレクトショップではビームス、ユナイテッドアローズともに直営店が主体で、ナノ・ユニバースはFC展開という異なるアプローチで「先輩」企業に挑む格好になります。
もともと「ナノ・ユニバース」はメンズからスタートしました。スタイリストで写真家の高木康行氏と組んで作ったブランド「sec(セック)」をはじめ、オリジナルブランドの開発に力を入れています。
リヴラボは2003年、アパレルメーカー大手の東京スタイルから資本参加を受け入れ、子会社となりました。この時点では5年間で25店程度まで店舗を増やす方針を示しています。
レディースを専門とする東京スタイルにとってはメンズを手がけるのも、セレクトショップを展開するのも、創業以来、初めての経験。ナノ・ユニバース側にすれば、東京スタイルの傘下で新規出店ペースを上げられるというメリットがあります。
東京スタイルは2004年、米国のサーフ系のストリートブランド「STUSSY(ステューシー)」を輸入販売するジャックを買収しています。セレクトショップやストリートブランドといった近年、勢いづいている業態やファッションジャンルに、新「東京スタイル」を見いだす狙いがあるようです。
東京・渋谷の「ナノ・ユニバース東京」は1階がメンズ、2階がレディースのフロア。2階奥に設けた「ライブラリー」と呼ばれる空間は、本棚に囲まれて、ゆったりと商品が選べる設計。オリジナルブランドの占めるスペースが広く、「ラブレス」や「リステア」のような高級ブランドばかりを集めたセレクトショップではないのですが、この一角にはアッパーブランドを集めています。オリジナルブランドは利益率が高い上に、調達が容易で、FC展開にはオリジナルブランドが有効に働くとみられます。
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