ニュージーランド出身のデザイナーが手がける「カレン・ウォーカー(Karen Walker)」はクラシックな英国調のガーリーなコレクションとなりました。ベースカラーは茶色。組み合わせた真っ赤な細身のベルトがアクセントになっていました。
膝丈のスカートがメーン。総柄プリントのワンピースが目に付きました。大半のモデルに、ふくらはぎまで包む長めのソックスをはかせ、スクールガール風のコケットな雰囲気を演出しています。黒いストッキングも多く見られました。パンツはハイウエストで足の長さを強調しています。
アイキャッチ・カラーとしてビビッドな赤を提案。カーディガンの前立てから襟にぐるっと取り回した赤いラインが目を引きます。
くすんだ藤色と茶、えんじなどを組み合わせ、一つ間違うと野暮ったくなりそうなスモーキーな色合いを上品に操って見せました。あちこちに使っていたのがボーダー。茶の濃淡で彩ったボーダーソックスは登場頻度がかなり高め。格子の大きなチェックもオーセンティックなイメージを醸し出す効果をあげていました。
パフスカートやパフスリーブが復活する流れを意識してか、肩にパフでポイントを作っています。ストリングス(ひも)アイテムを演出の小道具に使うデザイナーが増える中、「カレン・ウォーカー」もフード付きパーカ風に、白いひもを首元からだらりとぶら下げる、ストリングスタイを思わせる仕掛けを盛り込んでいました。
モデルにはロックバンド「ローリング・ストーンズ」のギタリスト、キース・リチャーズの娘でモデルのテオドラ・リチャーズ(Theodora Richards)を起用しました。ロンドンコレでの話題作りも上手になってきたようです。全体の構成は、映画「ラスト・サムライ」の製作総指揮を務めた、母国・ニュージーランドの映画監督、ヴィンセント・ワード(Vincent Ward))氏の映画「Vigil」にインスパイアされたそうです。
カレン・ウォーカー氏はクラシックなエレガンスにカントリー風のテイストをミックスしたラインを得意としています。カジュアルでありながらドレッシーで着やすいと、人気が高まってきています。少しレトロなフレーバーが上品さを漂わせます。マドンナやクリスティーナ・アギレラらも顧客だそうです。
ロンドンコレクションでは近年、オーストラリアとニュージーランドから生まれた「オセアニア・ブランド」が台頭。「カレン・ウォーカー」のほか、「ザンベシ(ニュージーランド)」「クロード・マウス(オーストラリア)」などのブランドが急成長しています。
ウォーカー氏は90年にニュージーランドのファッションカレッジを卒業。99年からロンドンコレクションに参加しています。
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