フランスのブランド「アニエス・ベー（agnes.b）」が再出発します。アパレルや生活雑貨、飲食店を手がけるサザビーが合弁会社から離脱し、フランス本社の100％子会社となります。フランスのアパレルメーカー、C.M.C（パリ）とサザビーが1983年、合弁会社、アニエスべーサンライズを折半出資で設立し、同ブランドを日本で展開してきましたが、サザビーが持ち株をC.M.Cに売却し、実質的にアニエスべーサンライズの経営から手を引くことになります。

　アニエスべーサンライズの設立から２０年が経過したもを機に、フランスのC.M.C本社が全面的に日本法人を指揮する体制に変えます。日本で十分、「アニエスべー」ブランドが定着したという判断が背景にあるようです。

　デザイナーのアニエス・ベー氏は本名、アニエス・トゥルヴレ（Agnes Trouble）。41年、フランスのベルサイユで弁護士の家庭に生まれました。美術館のキュレーターを目指し、ベルサイユ美術学校に進みました。

　17歳で最初の夫、クリスチャン・ブルゴワ氏と結婚、19歳で双子を出産しました。ブランド名になっている「ベー（b）」は「ブルゴワ」の頭文字です。ファッション雑誌「ELLE」の編集者を経て、「ドロテ・ビス」「ヴェ・ド・ヴェ」「キャシャレル」などのスタイリストを務めました

　「agnes b．」ブランドを立ち上げたのは73年。75年にはC.M.C（Comptoir Mondial de Creation）agnes b．社を設立。肉屋を改造した初のブティックをパリにオープンしました。カーディガンで知られ、90年代のフレンチカジュアルのブームを起こした一人です。

　サザビーはバッグブランド「サザビー（SAZABY）」のほか、生活雑貨店「アフタヌーンティー」を展開しています。意外なことに、米国発のコーヒー店「スターバックスコーヒー」を日本で手がける運営会社のスターバックスコーヒージャパンに、米本社と肩を並べて50％出資しています。熊谷喜八シェフが率いる、フランス料理をベースにした創作無国籍料理のレストラン「キハチ（KIHACHI）」もサザビー傘下です。

［関連リンク］
・「アニエスベー」日本公式サイト