「パワースーツ」のイメージが強い「ダナ・キャラン（Donna Karan）」ですが、今回はクラシックでクチュール風のデザインが多く、新たな方向性を示すショーとなりました。全体にシックで落ち着いたライン。目を引いたのは、足の甲で幅広のベルトをクロスした靴でした。

　クチュリエっぽい仕掛けが目立ち、襟周りにはボリュームたっぷりのデコラティブな飾りが配されていました。映画「エリザベス」に出てくる英国の貴婦人を思わせるような、襟元を埋め尽くす立体的な演出です。

　バラの花を模した共布のコサージュは大ぶりでインパクトがあります。アシンメトリーなフロント処理やボトムのたっぷりしたドレープなどもゴージャスなイメージを醸し出しています。スカートは膝丈が目に付きました。

　足の甲でクロスする靴ベルトには、本体の革部分とは微妙に異なる色の布が使われています。かかとにはジップ。ラウンド・トゥの流れに反して、あえて尖ったトゥを見せました。

　ベアショルダーのローブ・デコルテ（robe decolletee）のドレスが次々と登場。ホルターネックでバストを強調したり、胸元を広く開けたりしたデザインが上品な色気を感じさせます。

　黒や茶、チャコールブラウンなど、ダークな色合いが主体。光沢のある紫がアクセントとして使われていました。布が肌を覆う面積が比較的広く、やや重たい印象を与えました。その重さとバランスを取るためか、ピッタリしたセンター分けの髪型が多く見られました。