創業デザイナーの森英恵氏が2004年に現役を引退した「ハナエモリ」ブランドに復活の兆しが出てきました。ライセンスの整理や債務の処理が進んで、業績は上向きつつあるようです。

　総合商社大手の三井物産は中国に日本ブランドを積極的に売り込もうとしています。その一つが新ブランド「ハナエモリ　アルマ・アン・ローズ」です。

　「ハナエモリ　アルマ・アン・ローズ」は「ハナエモリ」のヤングライン。2005年春に国内でスタートし、秋には中国へ投入する予定です。これまでの「ハナエモリ」の顧客層は40〜60代でしたが、新ブランドでは20〜30代をターゲットに設定しています。

　創業デザイナーの森氏が率いたブランド運営会社は2002年に民事再生法の適用を申請し、経営に行き詰まりました。三井物産が子会社、ハナエモリ・アソシエイツを設立して事業を引き継ぎました。

　森氏は2004年秋冬パリ・オートクチュール（高級注文服）コレクションを最後に、現役を引退しました。コレクションの最後には孫娘でモデルの森泉（もり・いずみ）がウエディングドレス姿で登場しました。

　森泉は英恵氏の長男と、米国人女性の間に1982年、生まれたハーフ。女性ファッション誌「CanCam」の専属モデルを務めています。「Y's（ワイズ）」ブランドのデザイナー、山本耀司氏の娘、山本里美氏が「リミ フゥ（LIMI feu）」ブランドを立ち上げたように、日本でもファッションデザイナーの２世が台頭しつつあります。もしかすると、森泉も祖母のブランド復活をモデルとして手助けすることになるかもしれません。