4人組のユニット「アズ・フォー(AS FOUR)」は、「これでもか」というほど技巧的な作品をぶつけてきました。初めてランウェイで使ったファーが目を引きました。「レトロフューチャー」とでも言いたくなるような不思議なテイストがはじけています。
「アズ・フォー」お得意の丸みがあるシルエットが繰り返し登場しました。例えば、丸みのあるドルマンスリーブ風ジャケットやブラウス。そしてラウンドシルエットのポンチョ風ケープ。彼らの代表的アイテム「サークルバッグ」を思い起こさせます。
シルクのようにツルツルで、ピカピカ光を反射する生地が大半。艶のあるシャンパンゴールドのミニドレスなど、パーティアイテムが主役でした。
パンツはニッカボッカ風やジョッパーズ風など、比較的ショート丈が多用されていました。ロングドレスは細くて長いシルエットがメーンとなっています。ボタンの見えない着物風の打ち合わせを繰り返し目にしました。
エンブロイダリー(刺繍)が施されたポンチョや、ガウンっぽい華やかなコートドレスなどはこれまでの「アズ・フォー」に比べて、少しキュートさが加わった気がしました。
ミニバッグを2個手首に提げたり、同じ色でサイズ違いのチェーン付きバッグを4個手に持ったりという「マルチバッグ」を提案しています。バッグのボリューム感に意外性があります。
動きを計算に入れたデザインが光ります。足を踏み出すたびに波打って表情を変える、ドレープ豊かなスリットスカート。隙間の演出効果を織り込んで、何カ所も切れ込みを入れたロングスカート。全面に起伏のあるブルーのワンピースは、海の波をそのまま身にまとったかのようです。
ももから膝にかけて、しわ状の風変わりな盛り上がりを付けたパンツは生き物のような生々しさがあります。袖にも過剰なまでの隆起が施され、マタドール(闘牛士)っぽい。
ファー付きフードは頭からスッポリかぶるのが「アズ・フォー」流。フード周りのファーが額縁のように顔を際立たせるようにデザインされています。
気になるのは、メンバーの一人、Kai氏のユニット離脱が一部でささやかれていることです。2004年中から4人の不協和音が伝えられていて、ちょっと心配です。
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