「雑誌のオートクチュール」とも呼ばれる米国の高級ファッション誌「ヴィジョネアー（VISIONAIRE）」がファッションデザイナーのトイドールを発売しました。人形ではありますが、れっきとした同誌の通巻44、45号という位置付けです。シリーズ名は「Visionaire #44: Toys Red」「Visionaire #45: Toys Black」。各５体ずつの合計10体で、１体当たり２万3000円。伊勢丹新宿本店の「解放区」などで販売されています。

　すべてのドールは、米国のトイファクトリー「Kidrobot」が制作を手がけました。「Red」の５体は「ルイ・ヴィントン」のマーク・ジェイコブス（Marc Jacobs）氏、「ドルチェ＆ガッバーナ（Dolce & Gabbana）」の２人、「クリスチャン・ディオール・オム（CHRISTIAN DIOR HOMME）」のエディ・スリマン（Hedi Slimane）氏、「ヴィクター＆ロルフ（Viktor & Rolf）の２人、「プラダ（PRADA）」のミウッチャ・プラダ（Miuccia Prada）氏。

　「Black」の５体は「シャネル（CHANEL）」「カール・ラガーフェルド・ギャラリー（LAGERFELD GALLERY）」のカール・ラガーフェルド（Karl Lagerfeld）氏、「ジャンニ・ヴェルサーチ（GIANNI VERSACE）」のドナテッラ・ヴェルサーチ（Donatella Versace）氏、「アレキサンダー・マックイーン（Alexander McQueen」のマックィーン氏、フランスのエルメス（HERMES）社の総帥、ジャン・ルイ・デュマ・エルメス（Jean Louis Dumas）会長、「ヴァレンティノ（Valentino）」のヴァレンティノ・ガラヴァーニ（Valentino Garavani）氏。

　既に次のバージョンの準備も始まっています。「Visionaire 45: More Toys Yellow」「Visionaire 45: More Toys Blue」の２シリーズ。今回と同じ５体ずつの計１０体です。

　「ヴィジョネアー」誌は1991年創刊。年３、４回の発行で、毎回、異なるテーマを設定し、内容に合わせて装丁や体裁も変える独創的な編集スタイルで知られています。広告は一切掲載しません。広告を掲載することから生じる表現への規制を避けるためです。数千部しか発行しないので、入手困難とされています。日本ではヴィジュアル・コネクションが代理店となっています。

　主宰者は中国系フィリピン人のアートディレクター、スティーブン・ガン氏。84年に渡米して、「ハーパース・バザー」や「Ｖ」などのファッション誌の編集に携わってきました。資生堂の化粧品「エス・アンド・コー」の企画も担当しています。