「ドレスキャンプ（DRESS CAMP）」ブランドの初の路面店（東京・南青山）で、店舗デザインを担当したのが、今や日本を代表する空間デザイナーとなった片山正通氏です。片山氏は1966年岡山県生まれ。2000年に設立したデザイン・設計会社「ワンダーウォール」を率い、「マーク・ジェイコブズ青山店」（東京・青山）など、数々のブティックやレストランを手掛けてきました。

　デザイナー・NIGＯ（ニゴ）氏のブティック「ア・ベイシング・エイプ（A BATHING APE）」やカフェ「ベイプ・カフェ（Bape Cafe）」（ともに東京・南青山）、ビームスのセレクトショップ「ビームスＴ」（東京・原宿）も片山氏のデザインによるものです。「ビームスＴ」ではたくさんのＴシャツをくるくると回転させる、動きのあるディスプレーで話題を呼びました。

　ユナイテッドアローズはセレクトショップ「ドゥロワー」（東京・南青山）のショップデザインに片山氏を起用。2005年３月16日に開く、４５〜60歳前後をターゲットとした新店舗「ダージリン・デイズ新宿店」（東京・新宿、小田急百貨店新宿店本館７階）でも片山氏にデザインを任せました。リゾート地のホテルのような落ち着いた空間に仕上げたそうです。

　１月28日にオープンした「ドレスキャンプ青山本店」にはライオンが店内のあちこちに配されています。強さの象徴である獅子を第１号店のアクセントとする辺りにも、デザイナー・岩谷俊和氏の意気込みがうかがえます。２階にはフランス料理店、バーを兼ねたラウンジ「ステア」があります。

　片山氏ほどの売れっ子を起用するには、相当な費用がかかります。新興ブランドには難しいところですが、巨大商社の三井物産と手を組んだことにより、「ドレスキャンプ」はこうした思い切った仕掛けが可能になったと言えるでしょう。