伊勢丹が東京・渋谷のファッションビル「109」に対抗するようです。「109」の主なターゲットである10代後半から20代前半を狙った新売り場を3月1日、新宿本店(東京・新宿)の2階「シンデレラシティ」にオープンします。
目玉テナントは、東京・原宿にあるセレクトショップ「カイラニ(Kai Lani)」。ハワイ語で「Kai」は「海」、「Lani」は「空」という意味。ハワイのリゾート風のインテリアでも人気があります。
「カイラニ」では米国のカジュアル衣料店チェーン「アバークロンビー・アンド・フィッチ(Abercrombie&Fitch、通称「アバクロ」)」を取り扱っています。「アバクロ」系の低価格衣料チェーン「ホリスター」の商品も置いています。
「アバクロ」は1892年創業の老舗。もともとはアウトドア用品や釣り具に強く、、作家のアーネスト・ヘミングウェイも顧客でした。しかし、1977年に事実上、倒産し、カジュアルウエア店として復活を果たしました。
「カイラニ」はプレミアムジーンズ・ブームの火付け役となった「セブン・フォー・オールマンカインド」も取り扱っています。「セブン」は最初から「女性のためのデニム」を意識したブランドです。
前側の色を落とし、後ろ側は濃い色を残すことによって、足を細く見せるテクニックで知られています。脚部の前面中央に縦に入れた折り目「センタークリーズ」も足をすっきり見せる効果があります。「カイラニ」では「ポスト・セブン」組とされる「ペーパーデニム&クロス」「ヤヌーク」も展開しています。
「クロエ」のセカンドライン「シー・バイ・クロエ(SEE BY CHLOE)」、サイズ表示も兼ねる3個横に並んだ点(ドット)がトレードマークの「スリー・ドッツ」も展開しています。
伊勢丹が狙うのは、いわゆる「セレブカジュアル」のラインのようです。「109」以外に、原宿のセレクトショップからも若者を取り込む戦略と思われます。
この新売り場ができるのは本店2階。スポーツとファッションの融合という流れをキャッチしようと、スポーツブランド「プーマ」の新ライン「プーマ・ヴィンテージ」も投入します。「ファッションの伊勢丹」がメンズ館の成功に続き、若者を取りに行く今回の動きはその行方がファッション界の注目を集めそうです。
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