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(1/26) オートクチュールが消える?


 パリ・オートクチュール(高級注文服)コレクションが危機を迎えているようです。2005年春夏はコレクションに参加するブランド数が減少。公式参加は16ブランドにとどまりました。


 16ブランドのうち、パリ・オートクチュール組合に加盟している正式メンバーは約半分。残り半分ほどは正式メンバーではないブランドです。日本人デザイナー、桂由美氏は2003春夏から参加していますが、正式メンバーではなく、招待メンバーとしての扱いです。


 多いときは約80ものブランドが参加した同組合ですが、今回のコレクションはその存在そのものが揺らいでいることを証明した格好となりました。会期も当初予定の4日間が最終的には3日間に短縮されました。


 イタリアファッション界の大物、ジョルジオ・アルマーニ氏が「ジョルジオ・アルマーニ・プリヴェ」と名付けたコレクションで初参加するという明るい話題があったものの、「ジバンシィ」も「エマニュエル・ウンガロ」も不参加。寂しい顔ぶれとなりました。


 パリ・オートクチュール組合に加盟するブランドの数はわずか「10」。森英恵氏が2004年夏を最後に引退して「8」にまで減ったが、「アドリーヌ・アンドレ」「フランク・ソルビエ」の2ブランドが加わって、どうにか二けたに復帰したという状態です。


 フランスのブランド企業グループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが傘下のブランド「クリスチャン・ラクロワ」の売却を、よりによってコレクション当日に発表したのは、その意図を勘ぐりたくなるような出来事でした。「ジバンシィ」は同じLVMH傘下であり、コストばかりがかさむオートクチュールに復帰するかどうかは不透明です。


 オートクチュール低迷の背景には、世界レベルでのパーティー数が減っていることがあると指摘されています。戦争やテロ、自然災害が相次ぎ、華やかなパーティーを開きにくくなっているという事情があります。プレタポルテ(既製服)が高級化し、オートクチュールとの違いがあいまいになってきたことも影響しているようです。


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