「ラクロワ」は1987年の旗揚げ段階から、LVMHの傘下に入っていました。売却が発表された当日、ちょうど、パリ・オートクチュールコレクションで「ラクロワ」のショーが開かれていました。53歳のラクロワ氏はショーが終わった後、「ラベルが変わるだけ」と語ったそうです。

　ファリックは米国で免税店チェーン「デューティー・フリー・アメリカズ」を展開しています。こんごは「ラクロワ」ブランドの店舗を米国内で展開するとみられています。

　LVMHの支援が受けられなくなる結果、「ラクロワ」はパリコレから撤退する可能性が高い。ラクロワ氏自身はフリーのデザイナーとして契約している不思議な立場。2005年３月で契約が切れるといわれ、契約が打ち切られるおそれもあります。そうなると、「ラクロワのいないラクロワ」という奇妙なブランドが誕生するわけです。