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(1/19) 足元魅せる「アンティパスト」
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日本のソックスブランド「アンティパスト(ANTIPAST)」はデザイン性の高い、大人の女性向けソックスで世界的に注目を浴びています。「消耗品」であることを拒否し、服のようにシーズンごとに斬新なニューデザインを生み出すパワーは圧倒的です。
ともにフリーのテキスタイルデザイナーだった加藤京子氏と地主淳子氏の両デザイナーが1992年に立ち上げたブランドです。テキスタイルの豊富な経験を生かして、手の込んだ織り、染めを得意としています。
商品はすべて国産。デザイナーが工場に踏み込んだ注文を出すためです。ありものの生地を使うのではなく、テキスタイルの開発から参加して、「ありえない」とされていた商品を実現してきました。極細の糸で編んだシースルー商品や、繊細なレースの足カバーは「アンティパスト」の代表作と言えるでしょう。
強度を必要とするソックスは生地の段階で制約を受けています。その壁を打ち破る試みは世界的に高い評価を受けています。パリで開かれているファッション小物の国際展示会「プルミエール・クラス」で評価され、世界各国から注文が舞い込むようになりました。現在では「バーニーズ・ニューヨーク」本店をはじめ、欧米の有力セレクトショップや百貨店にも置かれています。94年からはソックス以外のアパレル、アクセサリーも手がけています。
ブランド名「アンティパスト」とは、イタリア語で「前菜」という意味です。メインディッシュに当たる服の「味」を引き立てる、食欲をそそるような前菜になってほしいという重いが込められているそうです。
毎シーズン発売されるアイテム数は膨大。でも、1アイテム当たりの生産数はわずかです。気に入ったデザインを見かけたら、その場で買わないと、二度と巡り会えないということになりかねません。そんな「準一点物」のモノづくりのスタイルも、「他人と同じものを身に着けたくない」というファッショニスタのおしゃれ心をつかんでいる理由のようです。
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