文化女子大学の国際ファッション文化学科プロデュースによる「ファッションショー」が東京・青山のクラブ「THE ORBIENT」で開催されました。
従来のファッションショーはデザインした服そのものを発表するというスタイルが一般的ですが、今回のショーは少し変わっています。同学科の学生が市販品を使ってトータルファッションを提案するというかたちです。服を作るのではなく、服をコーディネートして見せる点を重視しています。
この趣向を考えたのは、文化女子大学の講師でもある古川史朗氏です。古川氏は毎週木曜日に開かれる、ファッショニスタのためのパーティー「fashionista night BOBBIN」のプロデューサーでもあります。
参加した学生のショーへのかかわり方はデザイナーとしてではなく、一種のスタイリストとしてです。発想力、プロデュース力が必要を試される構成でした。市販品を使っているせいもあってか、ショー自体は全体として、今すぐ着られる服、リアルクローズを意識したような内容となっていました。
東京・代官山のセレクトショップ「hermanas」の服をセレクトし、コーディネートしていました。洋服だけではなく、ヘアメークまで含めたトータルファッションを提案するため、コスメブランド「MAKE UP FOR EVER」も参加していました。
女の子のお部屋のクローゼットをイメージしたステージでした。モデルが服を選んで鏡に当てて見るしぐさを採り入れるなど、日常生活を思わせる演出も工夫していました。
登場した洋服はいずれも秋冬物でした。ファッションショーにありがちな「どこに着ていくの」というコーディネートではなく、今からすぐに着られる、そのまま街を歩いてもOKという作品がほとんどです。ただ、重衣料は少なく、デニムを中心にパンツやベビードール風ワンピースにブーツやサンダルというカジュアルな組み合わせが多かったように感じました。
このショーは作り手側でなく、売り手側(販売現場)を主体に、消費者にアピールする構成になっています。アパレルの販売員の人たちもこのように、自分たちのお店の服を何パターンもコーディネート提案でき、発表できる場があれば、おもしろいだろうなと感じました。
ファッションショーは作り手側でなくても、売る側にとっても表現の場になりえるということをあらためてめて感じさせられた、斬新なショーだったと思います。
「THE ORBIENT」はオープン当初から行っていたクラブですが、8月末でクローズしてしまうということで、とても残念です。またこういったイベントがどこかであることを期待しています。
写真はショーの模様です。4人で写っている写真は一番右側が今回のショーを企画した文化女子大学国際ファッション文化学科3年生の伊藤さん、あとの3人は1年生のモデルさんたちです。
(ショーの写真1、2、3)
[関連サイト]
「fashionista night BOBBIN」produced by SIX INCH inc.の紹介ページはこちら
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