世界最大級のファッション展示会「ファッション・コーテリー(Fashion Coterie)」がニューヨークで2月27日〜3月1日、開かれたので、行ってきました。年に2回開催されるこの展示会の規模は米国最大です。
ハドソン川の近くにある倉庫3つ(PIER90、PIER92、PIER94)を展示会場にし、約1200あまりのブランドを集めて開かれました。世界中からファッション関係者が集まり、大にぎわいでした。受付は混雑していて、かなり待たされました。
これだけのブースを回るには、最低でも2日間は必要とされています。各国から来たバイヤーたちのコーテリーに賭ける意気込みもすごく、グループで来ている人たちも大勢いました。
数年前から「JAPAN BOOTH」も設置され、5ブランド(「m/m」「HOMMA」「T・H・D La maison」「人zin」「MODE ACOTE」)が参加していました。コーテリー内には「Japanese Corner」という休憩所もありました。ニューヨークにあるラグジュアリーなジャパニーズレストランをイメージしたようなモダンな内装のこの休憩所では、お茶(グリーンティー)とあられせんべいみたいなスナックを用意してもてなしていました。
おもしろいことに、この休憩所に来た人は「コーヒー」と頼む人がほとんどで、ウエイターが「グリーンティーしかない」と言うと、コーヒーがある別の休憩所へ行ってしまうのです。結局、この休憩所を使っていたのは大半がアジア人でした。ニューヨークではヘルシーでかっこいいイメージのお茶とあられせんべいですが、やはりコーヒーとチョコにはかなわなかったのでしょうか。
「d&a」と同様、デニムブランドは依然人気で、ブースも混んでいました。「キャサリン・マランドリーノ(Catherine Malandrino)」「ダイアン・フォン・ファーステンバーグ(Diane von Furstenberg)」「フリー・ピープル(Free People)」などは日本人を含めアジア人客が多かったように見えました。
今回、時間の関係ですべてのブランドを見ることはできなかったのですが、ざっと見た中で、私が気になったブランドは4つ。もっと時間があれば、さらにたくさん見つけることができたのにと悔やまれます。
「Rozae Nicholas」のセカンドラインの「Common Thread」は買いやすいプライスでいながら、ハンドクラフト調のカットソーなどが素敵でした。ロサンゼルスブランドの「Emmm」はトップスのみのブランドで、レースや飾り付けがきれいで愛らしく、ゆるい感じのトップスは秋冬も使えそうです。
フランスが本社になっているのに、「American Retro」という名前のブランドは刺繍やパッチワークが得意で、色目もピンク、ターコイズ、イエロー、グリーンなどきれいな色をミックスして使っています。クラシックな雰囲気の中にレトロとポップが加わり、ワンピースやスカート、ニット、ジャケットなどどれも日本で受けそうな物ばかり。私も欲しいと思いました。
ブラジル出身の「アレクサンドル・ヘルシュコヴィッチ(Alexandre Herchcovitch)」のコレクションは今シーズン、日本でも話題ですが、彼が出したセカンドラインのブランド「Cori」もおすすめ。ラテン調の鮮やかな色使いで、かわいらしいハンドステッチを施したニットやリボントリムがたくさんついているミニのボリュームスカートは今にも踊り出したくなるようなデザインです。チロリアンテープや、お花の刺繍などが付いていると思ったら、実はすべてプリントというトロンプルイユ(だまし絵)的なジャケットやスカートには驚かされました。シックと鮮やかさが融合したコレクションでした。
世界最大級の展示会ならではの見応えで、華やかさも活気もさすがでした。今回、印象的だったのは、アジア人のバイヤーが以前より増えていたこと。もちろん、昔からの取引をしている感じの欧米人ショップオーナーやバイヤーも多く、見た目も迫力満点でした。今シーズンのパリやミラノのコレクションではアジアからのバイヤーが注目を集めていましたが、コーテリーにもアジアの風が吹いていたようでした。
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